サマーウォーズ

監督:細田守

初日に見てきました! 楽しかったー!
サマーウォーズ」は、すごく丁寧に、できるだけたくさんの人を楽しませようとして作られている映画だなと思います。アニメ好きな人も、アニメに興味がない人も、…とかいちいち言うのも野暮ですが、とにかく見終わった後、場内のあちこちから「おもしろかったねー!」って声があがっていたのが印象的でした。

物語は、ネット上の仮想都市「OZ」を乗っ取り世界中を混乱に陥れた「犯人」と、田舎の大家族の合戦物語。予告を見た時点では、ちょっとファンシーすぎるかなーとか思ってたものたちがすごく生きていて、ああ無粋な心配してしまったと思った。この「OZ」の描写も近未来SFぽくはあるんだけど、それこそ子どもからネットにうとい大人にまで、わかりやすく描かれていたと思う。それでいてくどくないさじ加減がうまい。
対応して描かれる大家族描写も魅力的で、個人的に映画や漫画で描かれる食事の場面がすごく好きなんだけど、この「サマーウォーズ」でも、特に終盤の食事の場面にぐっときました。
あと縁側と、夏の日差し、夜の廊下とか、「時をかける少女」の時も学校の描写が印象的だったし、細田監督はほんと「情景」を描くのが上手い監督なんだなーと思う。

細田監督の作品でいえば、すでにあちこちで言われてるように「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」(id:ichinics:20070301:p1)に近いんだけど、もちろん破以上に別物です。でもあそこにあった、ネット内と外の描き分けのセンスや、ディスプレイを通して見知らぬ人と繋がるわくわく感はそのまんまこの映画にスケールアップして生かされていると思う。
ぼくらのウォーゲーム」はとても面白い作品だったんですが、デジモンてついてることによって、物語も見る人も限定しちゃうとこが、もったいなくもあった。だからこそ監督は、「時かけ」で下地を作った今、これをやりたかったのかなーとか思いました(勝手な想像ですが)。
あと、物語の大事な小道具として、自分の持ってるのと同じ携帯やDSが出てくるのもちょっと嬉しい。時代設定がいつなのかはわからないけど、物語の世界が、小道具を通して見ているこっち側と少し接するような楽しさがある。こういう感覚は、もしかしたらデジモンポケモンやってる子どもが「映画版」見て感じる楽しさと近いのかもしれないな。

ひとつくやしかったのが、物語に登場する花札のルールを知らないで見てしまったこと。もちろん、わからない私でも問題なく楽しめたんだけど、2回めは「こいこい」のルールを把握してから行きたいと思います!