連休前

先日、久しぶりに読み返した「わたしが誰かを好きになる理由がなくてもそれをわたしは信じるくせに」*1、と書かれたそのページを眺めて、あらためて、私はこの人の文章すごく好きだなと思った。好きになる理由なんてたいていは意味がないような気がするけれど、この人の文章がすごく好きだなと思うのは、それでいて、「誰かがわたしを好きでなかったことへの想像力がわたしには全く欠けていた」、と書く、その言葉のまっすぐさというか、背中が寒くなる感じというか、頭から透明の箱かぶせられたような、寒いような気持ちにある気がする。

そして、雨振ったあとの草むらを歩いて足かゆくなって、落とし穴におちてそのまましばらく気をうしないたい、とか、そんな気分になるのは、考えることがどんどんややこしくなっていくからで、ほんと、大事なものなんてちょっとしか持てない。

最近、立て続けに人から、怒ることってあまりないでしょう、と言われて少し驚いたのだけど、(そしてそれじゃ何もかわらないですよ、と言われてすごくふにおちたのだけど)
たとえば日記を書くのはまず自分のため、とか言いつつ、通りがかる人が、誰で、どんな時に読むのかもわからないし、だからできるだけ、平らな気持ちで書こう、と思うのはもう癖のようなものだ。
でも、そうやっているうちに、普段からなんだか、考えることがややこしくなってしまったような気はしていて、
せめて、そのちょっとのためには期待していたいと思った。

でもまあ、とりあえず、すらすらビール飲める時は楽しいよね、なんて思いながら、週末はビールを飲んだ。もう連休だなんて信じられないって、何回も言ったような気がする。口に出すたび少しずつ、連休が遠くなって行くような、足もとがあやふやな感じになっていくのはきっと少し酔っていたからで、歩いて数分のコンビニまで行って帰り道に迷ったりした連休前。