昼下がりの風に乗って飛んで

朝霧に行く車の中で、すごく久しぶりにサニーデイ・サービスの「東京」を聴いた。
これ出た頃のこと思い出すね、って隣の友だちが言って、頷きながら、あんま思い出したくないなあって思っていた。
この頃は、たぶん今よりもずっと音楽ばかり聴いていたし、正直に言って、このアルバムにそんなに思い入れてるつもりはなかったのだけど、その久しぶりは思った以上に遠くて、いつだって確かだと思ってたことがいつの間にかなくなってることに気づく。
それを目の当たりにしたくないような、引かれたくないような、変な気分をもてあましてるあいだに、車いっぱいになった懐かしい曲は、流れて消えてった。
そんで、いつの間にか同じことばっかり考えてることに気がついて、確かだと思ってたことは、なくなったわけじゃなくて、変わっただけなのかもなと思う。

風は冷たいのに、日が当たると暖かくて、おさえておかないと形が定まらない。でもその形は見なくてもわかってるようなこと。