イングロリアス・バスターズ

監督:クエンティン・タランティーノ

ナチス占領下のフランスを舞台にした、連合軍の極秘部隊「イングロリアス・バスターズ」とナチス+αの対決物語。
面白かったです。ただ、人に勧めようとはあまり思わないし、ほんと娯楽作なんだけど、これが日本でヒットするのかは微妙だなあーとも思った。勧善懲悪とかないし、残酷だし。ただ、個人的にはこのフラットな感じが気に入りました。
とにかくどこにも感情移入する隙とかなく、「で、どうなるの?」っていう駆け引きが面白い映画だったと思います。フランス人として暮らしてるけど実はユダヤ人の女の子と、その子に言い寄るドイツ人兵士のやりとりに散々イライラしたのも、そうなるかーって感じだったしな。
見所はやっぱり、「ユダヤ・ハンター」の異名をとるランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツだと思います。
 この人。
ドイツ占領下のフランスってことで、フランス語ドイツ語英語が入り混じり、それらの言語をほとんど完璧につかいこなせるこの人がいるからこその映画だった(ついでにイタリア語まででてくる)。
冒頭シーンでその嫌らしさと怖ろしさをしみじみ感じさせといたからこそ、後のシーンがよりスリリングになっていく。登場しただけで「ああ面倒くさいやつがきた…」て気分になるのがいい。(でも、だからこそ、ちょっとラストで「あれっ?」て思ったりもしたんだけどそれはそれで)
他にも複数言語を話すキャラクターがたくさん出てくるのだけど、どの言語を使っていても、いわゆる「お国柄」みたいなものが出る人物描写も面白かったです。

ちなみに、私が好きなシーンは、イーライ・ロスの登場と、スティーグリッツ救出と、ビンゴ〜と映写室で感動的な音楽流れてるとこと、バスターズの2人の最後の突入です。