- 作者: 市川春子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: コミック
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印象的な線と風景、高野文子さんを思わせる影の使い方、独特のSF、どこをとっても魅力的なのだけど、私が特に好きだなと思う点は、読み終えた後に残る余韻だと思う。ながく響いて空中に溶けていくような。
ただ、1ページづつ丁寧に読まないと内容の把握しづらいお話もあるので、好き嫌いの分かれる作風ではあるかなとも思う。私はとても好きです。
今回新しく読んだ中で、特に好きだったのは「日下兄弟」。繰り返し舞台になる縁側の風景がすてきだった。和室を描くときの、視線の低さもいい。
知ってるか
この宇宙の中で人間に見えてる物質はわずか4%で
残りの23%は光を作らず反射もしない物質で
あとの73%はもっと得体の知れないものだって
だから世界の96%はわかってないんだと(p138)
たぶん、この言葉が、作者の描きたいことでもあるのかな、と思った。
それから、「ヴァイオライト」を読んで、長野まゆみさんの小説を思い出したりした(読んだの中学生の頃だけど)。