「珈琲時間」/豊田徹也

珈琲時間 (アフタヌーンKC)

珈琲時間 (アフタヌーンKC)

「アンダーカレント」(id:ichinics:20060220:p1)を読んだとき、この人はきっと自分にとって特別な漫画家になるだろうなと思ったのだけど(つまり好きな作家として真っ先に挙げる人の1人という意味で)、その後漫画を書くのをやめてしまったらしい…なんて噂を聞いて残念に思っていたのがなんと、新刊が! でて! いたんです! 嬉しい!
というわけで、買って急いで帰って読み始めたのですが、これが本当によかった。
1話12pで描かれる全17話の掌編集なので、ほとんどの物語が1場面で進行する(でもそれにこだわってるわけではないと思う)。それでも、そこに描かれる状況の背景に、登場人物の時間を感じさせるところがこの漫画家さんならではだなと思います。何人かは繰り返し登場する構成で、その合間に挟まれる単発の作品はハードボイルドあり、SFあり、コメディありで、どれもとても好み。
だからこそ、このお話を長編で読みたいなと思うものもあったのだけど、最後まで読んで、この「珈琲時間」はこの1冊で1作なのだなと思った。
絵もすごく好きなんだよな。今後も描き続けて欲しいと思います。好きだ!

今年は先日出た市川春子さんの新刊と、この豊田徹也さんの新刊が、自分にとっての大ニュースだった。ありがとうアフタヌーン