「こめかみひょうひょう」/雁須磨子

こめかみひょうひょう (ミリオンコミックス Hertz Series 75)

こめかみひょうひょう (ミリオンコミックス Hertz Series 75)

雁須磨子さんの新刊。とてもよかったです。
まえに「のはらのはらの」(id:ichinics:20060619:p1)を教えてもらって読んだときにも思ったけれど、雁須磨子さんのBLは、すごく少女漫画だと思う。他作品とそれほどかわらない飄々とした雰囲気のまま描かれる、BLというよりは「恋」をテーマにした短編集という感じだった。この人の描く、もどかしさとか、うれしくて泣けてしまう瞬間とかを、まとめて読めるのは嬉しい。
表題作の「こめかみひょうひょう」は全3話で、なんと3作目は6年ぶりに描いた続きらしいんだけど、絵柄がちっとも変わらなくてまったく違和感がない。近頃全体的にキャラクターが、横におおきくなったなあと思っていたので、うれしかった。
喋るきっかけ作りから、なぜかへちまをプレゼントすることになったり、そこからタワシつくってあげたりって展開が、もどかしくてかわいいです。ラストの、うれしいの次がかなしいになるって話もよかった。
1話ラストのコマを見ながら、私は雁須磨子さんの描くうれし泣きがとても好きだなと思いました。