「第9地区」

監督:ニール・プロムカンプ

いろんな感想見て面白そうだなと気になっていたのが、他の映画にふられた時にちょうど空いてたので見てきました。
ピーター・ジャクソンがプロデュースと聞いていたので、ちょっと警戒しつつ見た(「ラブリー・ボーン*1で警戒心が芽生えた)のがよかった気がします。

28年前*2南アフリカ上空にUFOが飛来して以来、「第9地区」には難民として異星人が暮らしている、という設定のSF映画。
異星人は作品中で“エビ”と呼ばれてるんですが、物語はこの異星人たちを別地区へ移住させるプロジェクトのリーダーに選ばれた主人公をドキュメンタリー風に追いかける形で描かれています。「まさか彼があんなことに…」とか言ってる身の回りの人の証言からはじまって、「あんなこと」になってしまったあとはもうすっかりアクション映画でした。
で、このアクション部分がとても楽しかった。エビの銃器つよい。あと上空に浮きっぱなしのUFOがかっこいい。エビのレイバーみたいなのもでてくるんだけどこれもよかったな。それから、エビの身体能力描写も良い。緩急で見せ場を作るのがうまいなと思いました。
ただ、全体的に皮肉たっぷりな作りになっているのと、警戒心が勝ちすぎたせいか、物語的にはあまり素直に受け取れませんでした。でもだからこそ楽しめた気もするので、複雑な気分。
隣に座っていたおじいさんが、ずっと深刻な顔で画面を見ていて、見終わった直後に「疲れた…」とつぶやき、連れの孫らしき男の子はとてもすがすがしい顔をしていたのが印象的でした。

*1:http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100215/p3

*2:字幕では20年前だった気もするんだけど、サイトには28年て書いてあった