監督:クリストファー・ノーラン
ずっと見たいと思っていた「ダークナイト」をやっと見ました。見てよかった、と思ったけど、正直なところけっこうへこんだ。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/12/10
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ただ、そんなわけでこれが今までの物語の延長線上にあるのか、シリーズ中でどのような位置づけの作品なのかはわかりません。でも冒頭の、ジョーカー登場シーンがとにかく圧倒的で、なるほどあちこちで(ネタバレ避けるために薄目で)読んだ感想にあった、この「ダークナイト」はジョーカーの映画だという言葉はそういうことなのか、と思いました。
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例えば「ノーカントリー」(id:ichinics:20080330:p1)に登場するシガーという男もまた、「ダークナイト」におけるジョーカーのように、遠く、言葉で説得しようとすることを無謀だと感じさせるような存在だった。
しかし、明らかに異なっているのは、ジョーカーには明確な信念のようなものがあって、それが完全な孤独の中に揺らぎないものとしてあることだと思う。
バットマンにも「信念」があるけれど、それはジョーカーの前でむしろ彼の弱さになってしまっている。終盤の問答でジョーカーが言うことを、バットマンは否定できない。その無力感が、なによりこの映画を特別なものにしているのだと思います。
映像はもちろん、ラストのモノローグで完璧に「ダークナイト」という物語を閉じる脚本が素晴らしい。
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それでもやっぱりへこむ映画で、宙吊りのジョーカーの仕草を想い出しながら今も、信じるとはどういうことなのかを考えている。