- 作者: 渡辺ペコ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: コミック
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このお話にはいろんな女の人がでてくる。共通しているのはたぶん、それぞれ「過渡期」にいることじゃないだろうか。というか、いつまで経っても過渡期であることに対する、心構えをする時期、というか。
今回特にぐっと来たのは、「おかあさーん」というモノローグ(p80)とそれに続く数ページ。わけもなく、そう呼びかけたくなるときというのはあって、それはなんで「おかあさん」なんだろうなとしばらく考えたりする。
それから、この巻では、主人公の恋人の子どもを妊娠した高野さんの視線から描かれるシーンもかなりあって、これがまた、しんどいなーと思いました。巻末の読み切りも良くて、何かに期待する「べき」じゃないとか、ここでは相手の「べき」に従う「べき」なんて、べきに囲まれて身動きとれなくなっていく感じがとても切実だと思った。
様々な登場人物に視点を移しつつ、入り組んだ気持ちの流れを編集してみせるのがとてもうまい漫画だなと思います。
続きがどうなるのか、読むのが怖い気もするけど、渡辺ペコさんならなんとなく、腑に落ちるところまで結末をもっていってくれるような気がしてる。
とりあえずは、これ読んだ友だちとあれこれ感想話してみたいです。