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そして3巻まで読み終えたところではっきりと、これはスクランブルを最初に読んだ方がいいと思ったし、スクランブルを読んだならこのヴェロシティも読んだ方がいいと思った。まったく別々の物語なんだけど、2つではじめて見える部分があって、それがとても切ない。
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スクランブルでは敵役として現れたウフコックの元パートナー、ボイルドがヴェロシティの主人公です。そして、スクランブルで少し触れられていた、彼らが相対するきっかけになった事件までの物語でもあります。スクランブル同様、描かれる事件は陰鬱なものなのだけど、彼らの信頼関係の物語として読むと、とても強くて切ない。
「マルドゥックスクランブル09」の任務に従事するようになった仲間たちの物語としても読み応えがあって、特に不可視の猟犬「オセロット」と盲目の覗き魔「クルツ」のパートナー関係の顛末は読みながら何度も本を閉じて読み返して、なんてこったと思ったりした。もうひとつ、スクランブルではひたすら明るいイメージだったイースターがなぜそうなったのかとわかる瞬間にもぐっときた。
スクランブルとヴェロシティをあわせると、かなり分量のある物語なのだけど、特に彼らの関係性の描写においてとても細やかな伏線が張り巡らされていて、そこがこの物語の魅力だとも思いました。
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それからこのヴェロシティは、スクランブルとは少し異なる文体で描かれているのも印象的だった。
(略)揺ぎない忠誠に満ちた声。≪俺はお前のパートナーだ≫
沈黙――言葉を呑み込む暗い穴。
通信が切れた。
再び応答をオフに――通信不可。
(3巻p119)
全てではないのだけど、こういう短いカットを繋いでいく映像のような文体がとても効果的で、特に心情描写については、極力無駄な「繋ぎ」の言葉を省くことで切実さが増しているようにも感じました。
上の引用シーンと、3巻p209は何回読んでも泣いてしまう。
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それにしてもやはりウフコックがかわいくて参ります。ウフコックをもっと読みたい。むしろ触りたい。そしてウフコックとしゃべりたいです。
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