「花もて語れ」1巻/片山ユキオ

花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

坂本真綾さん大推薦!!」って帯に書いてあると聞いて探して買いました。ええ。
「花もて語れ」は、朗読をテーマにした漫画。物語を声に出して読むということの魅力に改めて気付かされるお話で、なんだか自分でも朗読をしてみたくなりました。
特に、小学生時代のエピソードで、引っ込み思案だった主人公が学芸会でナレーションを任される場面にはぐっときた。
後半、主人公が社会人になってから、宮沢賢治の「やまなし」を朗読することになる場面も、ああ物語の解釈を「見る」ことがこんなに面白いなんてって思ったのだけど、でもこれは、あくまでも主人公の「やまなし」なんじゃないかなとも思った。この作品では、主人公の頭の中にある物語を、声で伝えることを「朗読」として描いている。「朗読」にはそれだけの力があるというところが、新鮮で、面白いと思うのです。

だからこそ、今後の展開はわからないけれど、「朗読」は、読み手によってまた違う顔を見せるものであって欲しいなと感じました。「やまなし」の例は少し特殊ですが、朗読が、物語の「正解」を見つける読み方にならなければいいなとか、やまなしを「聞いていた」女の子にも、彼女なりの「やまなし」があったんじゃないのかなーとか、
もちろんこの作品ではそこを否定してはいないのですが、そんなことも考えてしまいました。
今後の展開に期待しています。