When the dog bites, when the bee stings

友だちに誘われて、壁のぼりに行った。
行ってみて初めて知ったのだけど、これは石に書いてある番号が難易度になっていて、レベル10なら10と書いてある石だけを使ってゴールの10まで行くのがルールのスポーツだった。
運動が苦手な私でも登りきることができる課題はいくつかあって、あそこに手が届いたらクリア、っていうわかりやすい達成感はなかなか楽しかった。体の向きや足の方向によって、動ける範囲が変わってくるのも面白い。夢中でやっているうちに、最後は指先に力が入らなくなってしまったけれど、そのまま落ちても下にマットがあるので全然痛くなかった。
何度も落ちた後、飲みに行ったらビールを持つ手にも力が入らなくて笑った。

ただ、失敗したり上手く登れなかったりするのはやっぱり少し恥ずかしく、その恥ずかしさはなんだろうなとも思った。
誰も自分の事なんて気にしてないだろうとも思うのだけど、過去の失敗や、照れ隠しが隠れてなかったときのこととか、思い出して転がりたくなることはいまもある。
でもそういう私の恥ずかしさを、知ってる人と一緒にいるのは落ち着く。

週末はまぶしくて目が覚めた。あたたかくて一瞬、春だか冬だかわからない感じ。テーブルの上にあるチョコレートのことを考えながら、寝返りを打ってしばらく夢の続きを思い出す。
テレビをつけると、海外ドラマで幼い女の子が「私のお気に入り」を歌っていて、はじめてあの曲の歌詞を意識しつつ、これはすごくいい曲なんだなと思った。

夜は忘年会かもしれない飲み会。みんなでおいしいものを食べて、適当なことをあれこれしゃべった気がする。
帰り道、すこしさみしくなったので、「よいお年を」はまだ言わなかった。