3月11日から13日まで

金曜日。いま抱えている仕事の大詰めで、打ち合わせに向かおうと準備をしていたとき、地震がきた。しばらく同僚と顔を見合わせた後、すぐに机の下にもぐって、机の下で無言で手を繋いでいた。誰かの「外に出て」という声に机から這い出ると、フロアにはもう私たちしかいなかった。
会社のあるビルはとても古い。誰ももうこのビルの中には入りたくないという顔をしていたけれど、とりあえず合間を縫って荷物だけ取り出し、同じ沿線に住む同僚と歩いて自宅に帰ることにした。
いつもだったらぜったいへこたれてるような道のりを「フジロック以来の徒歩量かもね」なんて軽口をたたきながら歩く。道中、まるでテレビは見れなかったのだけど、電池残量を気にしつつたまにひらく twitter や、休憩に寄ったお店の店員さんとあれこれ話をしたりして、どうにか状況を察することができた。夜中の3時に家にたどり着く。テレビをつけて呆然とする。朝、電車が動き出してから同僚を駅までおくり、やっと眠った。

土曜日。世田谷の実家に帰る。家族の顔をみてなんとなく落ち着いたけれど、まだ現実感がない。テレビに疲れてしまったので、暗い部屋の中、弟が借りてきたビデオを見た。「9」は内容がさっぱり頭にはいってこなかった。でもその後にみた「ヒックとドラゴン」は楽しかった。妹の部屋で眠る。

日曜日。近所の友だちの家で集まろうと誘ってもらったので家に戻る。友だちの顔を見て、なんだかすごくほっとする。甘いものを食べて、笑って、今の緊迫した空気を少しだけ忘れることができた。気分転換はほんとうに大事だなと思った。

夜、気づいたらなんだか顎が痛くて、自分も緊張していたんだなと気づく。大変な人がすごくたくさんいる。がんばってる人もたくさんいる。今自分にできることは節電と募金、くらいしか思いつかないけど、気持ちはできるだけいつもどおりに保っておきたいなと思います。
twitter や日記などで、いろんな人の生活の様子をとても大事に読んでいます。