谷川史子新刊2冊

同時発売だった2冊。どちらもとてもよかったです。
谷川史子さんの作品は小学生くらいの頃から読んでいるけれど、描かれる主人公たちの年齢の幅も徐々に広がっていってる珍しい作家さんのような気がする。少女漫画誌から女性誌へと一気に移る人や、ずっと中高生のお話を描き続けているひとというのは多いけれど、谷川さんみたいな人はほかに、とりあえず今は思いつかないな。

「他人暮らし」

習字の先生をしている純花のところに、友人2人(OLと進行旅行から逃げてきたばかりの花嫁)が転がり込んでくるところから始まる、3人それぞれの視点から描かれる友情(?)物語。
そうはうまくいかない、って今は思ったりもするけれど、いつもすこし明るい方向を向いて終わるところが好きだ。

他人暮らし (クイーンズコミックス)

他人暮らし (クイーンズコミックス)

「吐息と稲妻」

「他人暮らし」が働いてる女性を主人公にしたお話ばかりだったのに対して、この「吐息と稲妻」に収録されている物語は登場人物の年齢層も幅広い、谷川史子さんの得意技のような短編集。特に幼なじみのお話2作品は、短いお話の中に時間を詰め込むのがうまいなあーと思う作品だった。
特によかったのは表題作のラストシーン。少し時間を巻きもどすところにぐっときました。

吐息と稲妻 (りぼんマスコットコミックス クッキー)

吐息と稲妻 (りぼんマスコットコミックス クッキー)