「平凡倶楽部」/こうの史代

平凡倶楽部

平凡倶楽部

本当に買ってよかったと思った本。感想を書くのを忘れてたけど、ちょっとずつ大事に読んで、今もたまに読み返しています。
開いてまずびっくりするのが、全部のページが違うこと。あちこちに工夫が凝らしてあり、ページを開くたびに発見があって、嬉しくなって、楽しい。アイデアだらけの本です。
私が特に気に入ったのは、大根、キャベツ、一万円札それぞれの行方を図解してある「実録!あいつのゆくえ」コーナー。それから婚姻届に描かれた「私の白日」もぜひ見てみて欲しい。
この、ページの隅々まで眺めるのが楽しい感じは、子どもの頃につくった壁新聞に少し似ているような気がします。ほとんどのページが手書き、っていうこともあるけど、何より楽しくて作っている感じ。そして、それが作者にとっての「生活」なんだなと感じられるところも好きです。
それから、この本はWEB連載分とともに「わしズム」に掲載された漫画を集められていて、ずいぶん前に読んで衝撃を受けた「古い女」も収録されているのが嬉しい。何度読んでもこれはすごい漫画だと思うので、こうの史代さんの漫画が好きで、未読の方にはぜひおすすめしたいです。

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「古い女」の感想
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060901/p3