「5年後の世界」/特撮

新曲3曲と、絶望少女達の楽曲と特撮の楽曲セルフカバーで構成されたアルバム。なので、既に音源として発表されている曲が多いですが、すべて新しい録音だし、むしろこの中にどれかひとつでも好きな曲があるならぜひ聴いてみて欲しいアルバムです。「林檎もぎれビーム!」や「空想ルンバ」など、もともとすごく好きな曲なんだけど、その好きを上書きするようなアルバムだった。
アルバムの構成がまるでライブのようで、通しで聴くのが楽しいところもいいです。あと、どの曲もすべての音ががっちり噛み合った振り付けのようで追いかける耳が楽しい。完璧に気持ちいいところに音が見える感触には、ZAZEN BOYSの「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」のマキシを聴いたときの興奮を思い出しました。あくまでもわたし個人の好みですが、自分はこれ聞いてる間ずーっと満面の笑みですよ。
興奮さめやらないので全曲感想ー。

5年後の世界

5年後の世界

「5年後の世界」

買って帰宅してプレイヤーにいれて最初にこの曲が流れたときの興奮たらなかったです。大好き! ごちそう! おかわりー!

「オム・ライズ(011)」

これがライブだったら2曲目にこれがきたら嬉しさのあまり両手あげて叫んじゃいそうです。初めてアルバムきいたときも「うへえ」ってなった。オープニングから底辺をつなぐドラムの気持ちよさ。そしてCメロ(でいいのかな、「恋する星座は」ってとこ)がきたときの開放感と、そこからまたぎゅっと収束するとこのフィット感! まったく関係ないけど「はか! たの! しお!」って言いたくなるとこがある。

林檎もぎれビーム!

この曲を初めて聴いたときの衝撃(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20090723/p1)といったらなかったですけれども、このアルバムverは、最初から全速力なのでライブで他の曲と続けてやってるようなイメージです。あと音が下から来る感じで分厚くなっていてたいへんすばらしいです。初聴きでガツンときたものに追加でとどめ刺された気分です。

「霧が晴れた日」

4曲目にこういうゆっくりな曲もってくるのもライブみたいですね。で、またこれがかっこいいんだよなー。イントロから曲の終わりに向けて光が見えてくイメージ。

人として軸がぶれている

やったー! ってここでまたばんざいしてる自分が目に浮かぶようです。落ち着けない。『かくれんぼか鬼ごっこよ』もはじめて聴いたときガッツポーズだったはずなのに今聴き比べると音の違いに驚く。まあ『かくれんぼか〜』は「大槻ケンヂと絶望少女達」名義なのでボーカルが前面に出てる録音でいいと思うんだけど、迫力あるのはやっぱりこっちだなー。このギター刻みの気持ちよさったら。もちろん絶望少女達のコーラスもいいです。タイトなドラムもたまんなくてついついじたばたしてしまいます。

空想ルンバ

このアルバムで一番大好物なギターはこの曲かもしれない。最初のブレイクでもうぐっとくる。『かくれんぼか鬼ごっこよ』に入ってる「少女が違うver」の音源は「人として軸がぶれている」と同じく、ボーカル前面に録ってるので全然音が違う。「るんばらっぷ」ではシンバルの音大き目でしたが、特撮バージョンはギターが前面にでてて楽しいです。あとはやっぱり鍵盤がすばらしいですよ! わーい!

「追想」

鍵盤インスト。こういうのを中盤に持ってくるとこもライブっぽくて楽しいです。何度も同じこと言ってすみません。

「ヌイグルマー(オーケンVo.Ver)」

この「ヌイグルマー」もめちゃくちゃかっこいい格闘技っぽい曲。
このアルバムの中ではこの曲と「霧が晴れた日」が一番物語っぽい歌詞で大槻さんぽい(私の思う範囲ですが)なと思いました。

「ロコ!思うままに(011)」

この辺でバラード(でいいのかな)がくるとライブも終盤に突入って感じがします。これも特撮セルフカバーで、原曲は聴いたことがないんですけど、前のアルバム探して買いたいと思います。

「かってに改造してもいいぜ(オーケンVo.Ver)」

イントロと、2:10あたりからはじまる間奏の終わるとこが特に気に入ってます。あとこのアルバムの中で特に歌詞が好きな曲。

Dead or Alive

ライブ気分で聴いてると、これがアンコール1曲目な気がする。テンポ押さえ気味でびっしり詰まったベースと鍵盤がかっこいい曲。

メビウス荒野〜絶望伝説エピソード1」

絶望少女関連の新曲でありつつ、これまでの曲を振り返る構成になってて、こーれーがまたもうたのしくてかっこいい! 掛け合いボーカルも楽しいし、「林檎」「人として軸が」「ルンバ」を入れてくるとこの展開が絶妙で気持ちいいです。

「ルーズザウェイ(011)」

この曲も歌詞が好き。ライブ自体は「メビウス荒野」で締まって、帰り道のような気持ちになる曲です。なんとなく、この曲聴いてるとたまにWEEZER聴いてるみたいな気分になるんだけどなんでかな。


というわけで長々と感想書いてしまいましたが、見返すと「かっこいい」ばっかりで語彙があきらかに足りないのが悔しいです。
でもとにかくとっても楽しいアルバムで、とうぶんこのアルバムかけるだけで気分が盛り上がりそうです。ありがとう特撮!