- 作者: ヤマシタトモコ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/03/23
- メディア: コミック
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そして作者はこの数年(?)で格段に上達してるんだなとも思った。冒頭の未発表作品2本は、同時に投稿して初めて賞をもらった作品、とあるのだけど、その2本と続く表題作と四季賞受賞作、そして最後の2本とでたぶん時系列に並んでいるのだと思うんだけど、ほんと格段に違う。絵も、お話の構成も、無駄なものがなくなっていっているというか、ああうまくなるってこういうことなんだなとか(とても偉そうなことを)思ってしまいました。でもそれは作者の個性みたいなものが固まっていく過程なのかもしれない。
というわけで、どの短編もよかったんだけど、最後に収録されている「MUD」が格別に気に入りました。
登場人物の心象風景描写が印象的な短編なんですが、たぶん、誰でもこんなフィルターを風景にかけることがあると思うし、でもそれが「絵」で説明されていることの力強さがとても気持ちよかった。特に、下駄箱のシーンにぞくぞくしました。
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ちなみにこの短篇集には四季賞受賞作も収録されていて、その時すでにこの日記書いてたんだなーということに気が遠くなったりもした(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20050909/p3)。