ドライヴ

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

最近大好きなライアン・ゴズリング目当てで見に行ったのですが大変面白かったです。
「面白かった」でいいのかな…? という気もしないではないのですが、のめり込んで見たし、確実に今後も好きな映画であると思う。
先に見てた友だちが「事前情報入れずに見たほうがいいよ」と言っていたので、ライアン・ゴズリングが出る、ということくらいしか知らずに行ったのですが、それがよかったとも思います。見終わってから初めて予告を見たんだけど、できれば予告すら見ないで見た方がいい気がする。
という訳で以下の感想は畳みます。
主人公は、昼は車の整備士兼アクション映画のスタントマンとして生活をしつつ、時折、強盗犯の逃走を手助けするドライバーを勤めている。
冒頭にきっちり逃走ドライブの一部始終を描いているんですが、そのテクニックはもちろん、警察無線とラジオを同時に流しながら時間を計って移動して、最後車から降りるまでの一連の流れには無駄がなく、一気にひきこまれてしまいました。
主人公が、マンションの隣人の母子と出会い、ぎこちなく距離が近づいていくという穏やかな前半から一転して物語が展開する後半はとことん残虐ではあるのだけど、そのスイッチが入ってしまう寸前の彼のお別れのようなエレベーターのシーンは、その後、閉じてしまう扉を映す瞬間に至るまで切なさで満たされていたし、映画を見終わってもやはり残るのは切なさだと思った。
映像もとても美しく、濡れたような街の夜景や、窓辺に佇む彼の背中の、サソリの刺繍だけが光って見える場面、大笑いする「敵」を見つめる、もう後戻りできない姿になってしまった「彼」の無表情の奥の目など、忘がたい場面がたくさんあった。
とても好みな映画だった。また見たい。