ももへの手紙

監督:沖浦啓之
ゴールデンウィークに見に行ってきました。連休らしく、開場を待つ人々の中には子どもが多くてなんだかちょっと嬉しかった。

人狼JIN-ROH」の沖浦啓之監督の作品ということで楽しみにしつつも、妖怪のキャラクターデザインがちょっと苦手だったり、コメディ寄りなのかなーってイメージもあって、観る前は、まあ自分好みの作品ではなさそうだなーとも思っていました。でも実際見てみたらとても楽しくて、たくさん泣いたり笑ったりしてしまった。
主人公の少女「もも」が、父の死をきっかけに、母と二人で瀬戸内海の小さな島へ引っ越すところから始まり、やがて3人(匹?)の妖怪と出会って、いろいろと事件が起こる…という物語。まず、ももが引っ越してきて、この妖怪たちと出会うまでがすごく長く感じたのが印象的でした。つまらなくて長く感じるというわけではなくて、丁寧に細かく描かれているという意味で、あの長さが物語全体の下敷きになっていたように思う。
妖怪たちも、見た目が苦手と思いながら見始めたのに、その苦手な感じが面白くて(そこでけっこう笑えるシーンがあったりして)よかったです。場内の子どもたちはおならシーンで大笑いしててさすが子どもでした。

クライマックスの台風シーンは、ちょっと、ポニョのときに話題になったようなツッコミをされないかなーとか思ってしまったけど、個人的にはまあ勢いで物語としてはありかなと思いました。
それより、その前にあるももと母親との喧嘩がけっこう堪えた。自分はとにかく「誤解での喧嘩」っていうのが怖い。でも他の感想読んだらああいう問題を妖怪にかぶせるのは云々的なことも書いてありさらにおそろしくなったので、きっとわたしはもも視点で映画を見ていたのだと思います。妖怪はいるんだよ!

あと個人的にこの映画が気に入った最大の理由は、昨年ちょうど広島に旅行に行って、瀬戸内海の島にわたってみたのがすごく楽しかったからだと思う。そして見終わって、絶対また瀬戸内海に旅行に行きたい、と思った映画でした。