ダークナイト・ライジング

監督:クリストファー・ノーラン

とっても面白かったです。
自分はバットマン関連の映画ってクリストファー・ノーラン監督のものしか見てないし、原作も名前しか知らないので、どの程度原作に忠実なのかとか全くわからないのですが、それはさておきとても面白かった。
前作「ダークナイト」もとても好きな作品ですが、バットマンの映画というよりもジョーカーの映画という印象だったんですよね。それが良いところでもあったんですが、
でもこのライジング(原題The Dark Knight Risesなのになんでライジングなのかちょっと気になった)は、バットマンの映画だった。そこがまず印象的でした。ノーラン監督の描くバットマンは個人的には掴みどころのない人というイメージで、彼がなぜ戦うのかというところがいまいち納得できないままこの3作目まで見てた気がするんです。でも今作を見て、バットマンというのは「いれもの」であって、彼ではないのだなと思いました。だから彼には理由が必要だし、しかしそれを必要とすることにも矛盾がつきまとう。
ただ、その原点にあった大事なものを最後にちゃんと描いていたこと、そしてそれが新たなヒーローに受け継がれているというのもぐっときました。

そして今作はとにかくアン・ハサウェイがかわいかった…。登場シーンからラストまで一瞬の隙もなくかわいかったし足長かった。素晴らしかった。衣装に猫っぽさはあんまりなかったですが、性格がそもそも猫っぽいっていうか、警戒心興味警戒心を行き来する感じがいいです。それから表情が細やかできちんと伏線になってるのもいい。バットポッドも、バットマンが乗ってるときと微妙に音が違う感じがしたんだけど(実際わかんないけど)、それもバットマンの重量感と対照的で、その乗りこなし方の美しさったらなかった。髪がたっぷりと長いのもよかった。とにかくかわいかった…。
それからジョゼフ・ゴードン=レヴィット演じる刑事ブレイクもよかったなー。JGLさんの演技で一番はまり役だった気がします。「(500日)のサマー」も「インセプション」も良かったんだけど、今回のキリッとした初々しさはたいへん魅力的だった。正義感で突っ走るわけでもなく、賢く野心もあって、っていう眼がよかった。彼がゴードンを救いに病院へ駆けつけるシーンはゴードンともどもかっこよかったです。

そして今作のハイライトでもあるゴッサム・シティが孤立してしまうシーンの絶望感はマイケル・ベイぽかったんですけど、「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」を見たときに、アクションシーンが寄り過ぎてて見づらいって感じたところは、こう見たかったんだよって思ったりしました。インセプションもわりと寄り気味だったけど、今回は視界が広くて見やすかった。
ただ、ラスト雑に扱われすぎるアレ絡みは少々無理があると感じたので、あの「期間」を作る仕掛けはもうちょっと理由が欲しかったな。
あとラストシーンのいくつかの「その後」にとってもわくわくしたんですが、これいつか続きがあると思っていいのかな。JGLのこれからとか描く気満々な気がしたんだけどどうなんだろう。ともあれ私はあの最後のシーンでもうこの映画大好き!ってなりました。
やってるうちにまたみたいな。