おもいでだま 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 荒井ママレ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/05/30
- メディア: コミック
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これは、忘れたい記憶でも、見方を変えると発見がある、という物語を描くのにはすごくうまい設定だなと思います。その「記憶を失う→取り戻そうとする」だけのパターンでもサトラレ式にしばらく繰り返せそうなのに、毎回新しいパターンの「客」を描き、その背景でこの技術を扱う側の中心人物として描かれている女性の物語が進行している…という所は構成がうまいなと思いました。
特によかったのは、亡くなる前に記憶を取り出し、そのキャンディを遺言として仲違いした息子たちに(舐めさせて)見せる…というお話。これはあったらいいな、と思う遺言方法でもあるのですが、その反面で、他人の記憶を見るって、なんだか自分が自分でなくなってしまいそうな気持ちもします。
ひとつもったいないなと思うのは、物語中でその「キャンディ」のことがタイトルでもある「おもいでだま」と呼ばれているわけではないところ。そこは統一してもよかったんじゃないかなと思います。
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記憶をテーマにしたお話の中でも特に、映画「ワンダフルライフ」や「エターナルサンシャイン」に近いところを感じた作品でした。
続きがとても楽しみです。