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 「ムーンライズ・キングダム」


面白かった。とても気に入りました。
ある島に暮らす、ボーイスカウトの男の子と、舞台でカラス役をやっていた女の子が出会って文通して駆け落ちする話。それぞれに事情があっていまいち歯切れが悪い大人たちに比べて、主役カップルのお互いに寄りかかることもなく優先事項がはっきりしている感じは、毒や危うさがあるものの見ていて気分がよく、様々なキャラクターの行動がかみ合ってドミノ倒し的にラストの大団円を迎えるという過程も、荒唐無稽ではあるけど心情的に疑うところはなく、気持ちがよかった。
サムがボーイスカウトの知識をちゃんと活かせているのもいい(中には実際にやってみるとそうでもない豆知識もあるけど)。子どもの頃って、よく秘密基地を作ったりするものだと思いますが、この映画のわくわくするところってちょっとそれに似てる。子どもの頃は、基地サイズの家さえ手に入れれば、世界は自分のものになるような気がしていたし、何日も先の猫の餌について不安に思うこともあまりなかった。…などと感傷を抱きつつも、主人公2人はかつての私のように暢気なわけではなく、それぞれに切実なのですが、そこで、この映画に登場する、歯切れの悪い大人たちのフットワークの重い決断に、ぐっときたりもして、つまり全体的にとても気に入りました。
主演の2人はもちろん、珍しくごく普通の人を演じたブルース・ウィリスのかわいさが際立つ映画だったな。スタイルの良さにアクションスター感を感じるものの、全体的に疲れてて気弱で濡れた犬みたいでした。だからこそのラストですよね。ブルース・ウィリスのこういう役見れてうれしかった。