「式の前日」

式の前日 (フラワーコミックス)

式の前日 (フラワーコミックス)

ちょっと前にtwitterで評判になっていると聞いて気になって読んだ短編集。
個人的には、亡くなった人を題材にしたお話が多いのが少々気になりました。物語の定番モチーフではありますし、ちょっと嫌な言い方になりますが「いい話」を描きやすい題材だとも思うんです。でも短編集で立て続けに読むのはちょっと重い。
表題作の「式の前日」はとてもよかったです。読者の視点が映画を見ている観客のような場におかれ、2人の関係を推察しながら読み進めていく、という語り口もとてもよかった。

話題になっている、ということを事前に知ったうえで読んだので、感じ方に影響してしまう部分もあるとは思うのですが、口コミでここまでのヒットになるというのは、なんだか希望のある話だなとも思います。もちろん、ヒットをかなえたのはこの短編集に普遍的な魅力があるということでもあるとは思うのですが。