「MAMA」1巻/売野機子

売野機子さんの単行本は「薔薇だって書けるよ」で面白いなと思ってその後の「同級生代行」「ロンリープラネット」まで読んだのですが、すごくいいなとおもう作品がある半面、どうしても思い浮かべてしまう漫画家さんがいるのがしんどかった。そっくりというのとは違うんだけど、「好きなんだろうな」と思うところを通り越して、自分がその漫画家さんの作品を思い浮かべるときの風景を上書きされているような気持ちになることがありました。
というわけでちょっと敬遠しつつあったのですが、いつも感想を参考にさせてもらっている方がこの作品が面白かった、と書いているのを読んで、手にとってみました。
面白かったです。それと同時にやっと売野機子さんの読み方がわかったような気がしました。
物語はある寄宿舎を舞台に、選ばれて集った聖歌隊の男の子達を描いたものです。このいわゆる「70年代少女漫画」的な設定と文法で、新たな物語を描くというところにチャレンジしている作家さんなのかもしれないということにやっと気付きました。
考えてみればマンガの流行だってファッションのように繰り返してもいいはずなんですよね。
それらの装置をどのように今の物語にしていくのか、続きがとても楽しみです。

MAMA 1 (BUNCH COMICS)

MAMA 1 (BUNCH COMICS)