- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/04/26
- メディア: 単行本
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もうもといた世界には戻れないのだと気づくことになる、少しホラー的な「NR」からの3作品は勢いで一気に読んでしまった。あそこで一緒にいるのが同僚だということが、帰宅難民のことを思い出したりもした。
神は苦しんでいるひととともにある。しかし誰も助けない。誰も救わない。/p170
そう呟く主人公が神とすれ違う「神と増田喜十郎」のラストシーンは特に印象的だった。こういうところが、私が絲山秋子さんの小説を好きな理由だとも思う。
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今まで重ねて考えたことなどなかったけれど、この作品はポール・オースターにとっての「ブルックリン・フォリーズ」に近い位置づけの作品なのではないかとも思う。