「ツヅキくんと犬部のこと」上下/衿沢世衣子

ツヅキくんと犬部のこと(上)

ツヅキくんと犬部のこと(上)

片野ゆかさんの「北里大学獣医学部 犬部!」という原作をもとに、獣医学部に入学した主人公が行き場をなくした犬猫を保護して次の飼い主を探す活動をしている大学のサークル「犬部」に入部してからの日々を描いた作品。
私も生きているうちに1度は犬と暮らしてみたい、と思い続けて生きていますが(父が犬苦手で実家では犬をかえず)、犬をかうということの前には、こんなにも様々な覚悟をしなくてはならないんだなということを改めて思う作品でした。
登場する犬たちがとにかくかわいくてね…。噛み癖があったり人見知りだったり、けしていいところだけを描いているわけではないんだけど、それでもいろいろな個性がかわいいなと思う。そして、想像するだけで過酷な犬部の活動は、やはりそういったかわいさとか、いい飼い主に巡り合えた嬉しさとかに支えられているのかなあ…とか思った。下巻にある闘病のお話とか、ほんと辛いんだけど、楽観的でもなく悲観的でもなく、素直に読めるのは衿沢さんの語り口のうまさもあるのだなと思います。名作。原作も読みたいです。
ツヅキくんと犬部のこと(下)

ツヅキくんと犬部のこと(下)