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 新しき世界

雪と雪の間くらいに見に行きました。
かなり話題になっていると思うので、ある程度内容にも触れてしまう感想になると思うのですが、どのくらいストライクかは人によるとはいえ、気になっているのならぜひとお勧めしたい映画だと思います。

この映画を見終わってしばらくたったいまも繰り返し思い返すのは、とにかくあの、ある場面で登場する「チョー嬉しいよ」という字幕の素晴らしさです。もちろん実際の俳優さんの言っている言葉がわかればそれに越したことはないのですが、ここに関しては「チョー嬉しい」という書き方をすることによる感慨というものが確実にあったように思う。
物語に配置されたメインキャラクター3人(ジャソン、チョンチョン、ジュング)はある種記号的ともいえる描かれ方だったけれど、それを嘘っぽく見せない3人の役者さんは本当に魅力的だった。
「新しき世界」は、たぶんいろいろと比較されていると思うのだけど私が大好きな「インファナル・アフェア」と近い潜入捜査もので、でも決定的に違う、のはインファでアンソニー・ウォンが演じていた、主人公が潜入捜査官であることを「知っている」立場の人物の描き方だと思う。
この立場の人物を「新しき世界」ではチェ・ミンシクが演じているわけだけれども、主人公は潜入先の方に肩入れしてしまうという傾向は物語のはじめからあって、だからはじめからチェ・ミンシクは信用ならないやつだった。最初はせっかくの潜入操作ものなのだから、もっと主人公の正義心を煽ったりしなくてもいいのかな…などと思ったりもしたけれど、最終的にジャソンが下した結論の説得力を描いた映画としてこの作品は成功だったのだと思います。
その説得力とはつまりあの「チョー嬉しいよ」であって、あの一言を主人公がこの先繰り返し思い返すのだろうと思うとそれだけで最高に切ない。

ちなみにチェ・ミンシク以外は初めて映画を見た役者さんだったので、最初はジャソン、チョンチョン、ジュングの順で、松重豊貴乃花石井正則と覚えて見ていました。