「6才のボクが、大人になるまで。」


2015年初映画は、昨年末のタマフルシネマランキングで気になって友人もおすすめしていた「6才のボクが、大人になるまで。」でした。
リチャード・リンクレイター監督といえば、同じ俳優で9年ごとに撮り続けているというビフォアシリーズが有名だと思いますが、この「6才のボクが、大人になるまで。」は同じ俳優の6才から18才までを撮り続けた劇映画ということで、それだけで興味がわいてきます。ただビフォアシリーズについては3作とも見たものの実はあんまりぐっとこず、この6才の〜もしばらく見るつもりはなかったんです。でも結果、ほんと見に行ってよかったなと思いました。
6才の男の子が18才に成長する過程を描く、というだけでは少々地味なお話にも感じるのですが、その様子を同じ俳優で見続けることができるということは、劇映画であっても記録映像的な重力がうまれるのだなと思いました。
10代になって男友達とちょっと悪いことしたり、女の子にアプローチされたりしてるのを見るたびに、子どもが成長するってあやうい、と本気ではらはらしたし、物語の最後、家を出て行く主人公の晴れ晴れとした気持ちもわかるのに、母親の視点にも感情移入していてすごくさびしい、という複雑な気持ちを味わえたりもした。映画を見終える頃には、まるで年1回だけ会う親戚の男の子を見ているかのような気持ちになっていて、なんというか映画を見たというより自分の思い出の一部になったような感じがあります。

主な登場人物が同じだけ時間を重ねている映画で、自分もすごく遠いところからここまで来たのだと思えるタイムマシンのような映画でもあったと思います。こういう企画、日本版でも見てみたいです。