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 「花井沢町公民館便り」2巻/ヤマシタトモコ

生命体の出入りが出来なくなってしまった小さな町を舞台にしたSF連作短編シリーズの2巻。
1巻を読んだときも、メディアを通して見ることができるだけで触れられない外の世界と、中の人間関係からは逃れられない狭い世界のコントラストが怖い、けどすごく面白い、と思って続きを楽しみにしていたのだけど、2巻もまたすごくよかったです。
特によかったのが11号のパンを焼く人のお話と、12号の小説家の人のお話。

パンを焼く人の話は、たとえ経済活動を必要としない場で生活しているとしても、自分で作った物に対して対価をもらう、ということの尊さについてのお話。
そして小説家の人のお話は、本を読むということの自由さは、どんな状況下に暮らしている人にとっても平等であるというということについてのお話。

どちらも自分の選んだ状況じゃなくても、その中で自分にできる最大限のことをやるということについての話だったと思う。
ヤマシタトモコさんは、もちろん自身も作り出す側の人なんだけども、ものを作る人への尊敬がある人なんだなということを改めて感じる2話でした。
たくさん本を読もう、と思ったりした。
続きもとても楽しみです。