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 キャロル

監督:トッド・ヘインズ

大好きなケイト・ブランシェットが出ているし、映画のビジュアルを見たときから、その色合いがすごく好みだったので楽しみにしてい田作品。
とても美しい映画で、見ている間ずっと見とれていた気がします。

50年代のニューヨークを舞台にした物語なのだけど、色合いの雰囲気や構図はエドワード・ホッパーの絵みたいだなと思いました。静かで、余白が多くで、そこに人物が適切な位置に配置されることで物語が生まれる画面、という印象を受けました。
デパートの玩具売り場で働くテレーズ(ルーニー・マーラ)がキャロル(ケイト・ブランシェット)に出会う場面もそう。視線が絡んで、やりとりをして、別れる。それだけなのだけど、そこで起こった出来事は彼女たちの人生を変えてしまうくらいの質量を伴っているように見えました。

特に印象的だったのはやはり、ケイト・ブランシェット演じるキャロルの佇まいでした。別居している夫がいて、でもその夫との間に娘がいることで思うように動けないキャロルの、何かを諦めたかのようでいて、けして儚くはない雰囲気は、とても魅力的に感じられた。彼女はきっとこれまでも散々自分のセクシュアリティについて考えたことがあって、だからこそ今、プライドに裏打ちされて立っていられるのだろうなと思ったりしました。

しかし、対するテレーズのことは、どう捉えたら良いのかまだよくわかりません。
ただ、映画で見る限り、彼女がキャロルに惹かれる理由はよくわかるものの、それでいて何もかもを受け入れる器のようにも感じられてしまい、キャロルのことを好きなのは、恋なのか好奇心なのか、時折わからなくなるところもありました。
ある出来事が起こった時に「キャロルの誘いに乗った」というような表現をテレーズがするのだけれど、私にはむしろ逆のように感じられたので、そのあたりがちょっともやもやしたところです。
ただ、だからこそラストシーンに彼女がどういう行動をとるのか予測できないところもあり、意図的な描写だったのかな、とも思いました。
原作は未読なのですが、原作はテレーズの一人称で書かれているとのことなので、そちらを読めば補完できるのかもしれないなと思っています。

もうひとつ、ラストシーン間際である人物に焦点が合い、その後テレーズと会話をするだけで終わる所があって、私はこれは絶対「誰でもいいのではなくキャロルでなくてはだめだ」を知るためのシーンなのだと感じたのですが、そのへんばっさりカットされてたのも不思議だった。
でもここで感じたのはこちらの記事などを読んで、だいたいあってたのかな、と思いました。
[FEATURE] 噂の二人〜映画『キャロル』とキャリー・ブラウンスタイン | Monchicon!
しかしとにかくケイト・ブランシェットが美しかった。
衣装もたくさんあるし髪型もたくさん見れる。その着こなしと身のこなしをみてるだけで最高に贅沢な気持ちになれる映画でした。