ほうじ茶

近頃は、朝コンビニであったかいほうじ茶を買うことにはまっている。
ホットドリンクコーナーに置かれているほうじ茶は伊藤園サントリーの2種類で、私はそれを交互に買うことにしている。交互といっても厳密ではなく、前の日に買ったのがどっちだったかを覚えていれば逆を買う、くらいの心がけだが、なんとなくどちらか片方だけを買い続ける気持ちにはなれない。味の違いはよくわからない。どちらもふつうのおいしいほうじ茶だ。

よく、毎日同じ道を通るよりも、違う道を使うことで脳が活性化するという話を聞く。確かに、「いつもの道」を歩いているときの、何というかキャッシュで風景が表示されている感じに比べて、「いつもと違う道」を歩いていると、頭の中に入って来る情報量が多いと感じるし、記憶に残ることも多い。ただ、そういうのは休みの日などのイベント事に近く、時間に追われていたり、何か考え事をして歩いている時などは、むしろ風景はキャッシュに保存されたものを流しておくくらいがちょうどいいのかもしれない。

とはいえ私が交互にほうじ茶を買っているのはそのような脳の活性化を期待してのことではない。しいていえば、天秤のバランスをとりながら、両側におもりを置いて行くようなものだ。もしもどちらかのほうじ茶の方がおいしかったりしたら、きっとそちらばかり飲んでいるだろう。同じくらいだから、バランスをとりたくなるのかもしれない。

あったかいほうじ茶を買うのは、ぬるくなったほうじ茶が好きだからだ。つめたくもなく、常温というほどでもない、あったかいの余韻が少しだけある、ぬるいほうじ茶が好きで、冬に死ぬなら今際の際にはぬるいほうじ茶が飲みたいなと思う。夏ならビールだ。なのでできればすべては夏がいい。