『髑髏城の七人 Season月 下弦の月』にはまった話

現在上演中の舞台『髑髏城の七人 Season月 下弦の月』を見に行きました。
好きな俳優さんが何人も出るのでとても楽しみにしていて、チケットも複数枚とっていました。
とはいえ、私はこれまで劇団☆新感線の舞台はこれまで見たことがなく、映画館に行くとよく「ゲキシネ」の宣伝が流れるので、すごく大掛かりな舞台をやる劇団なんだろうな(&古田新太さんがいるところだよね)というくらいのイメージでした。
今回チケットをとるにあたって、「髑髏城の七人」は7年に1度繰り返し上演されているシリーズであるということ、さらに2017年は「花」「鳥」「風」「月」の4シーズン(のちに極の発表があった)あったということを知りましたが、ストーリーなどは全く知らない、まっさらな状態で見に行きました。
このまっさら具合が個人的にはとてもよかったので、もしもここを読んでくださってる方で、もしも現在まっさらな状態で見る予定がある、という方にはぜひまっさらで見ることをお勧めします。

で、これがとっっても面白かったんです!
最初は12月2日に見て、それからずっとドキドキした状態で9日にも見て、これは完全に好きになってしまったと思ったので、来週には上弦を見に行くというこのタイミングで現在の心境を書き留めておきたいと思います。
関係ないけど新しく好きなものができる時の気持ちって「強い気持ち強い愛」をBGMに駆け出したくなります。今のこの気持ちほんとだよね…!!

あらすじと劇場

物語の舞台は本能寺の変から8年が経過した時代。
(私は織田信長を巡るお話であるということも知らなかったのですがこれは最初のシーンでわかることなのでネタバレというわけでもないかなと思いますので書いてしまいますね)
天魔王と呼ばれる男が関東を支配しており、主人公である捨之介は、彼が出会う人々とともに、戦乱の世を再び蘇らせるという天魔王の企みに立ち向かう…というのが大方のあらすじじゃないかと思います。
髑髏城はシーズンごとにキャストも演出も変わるそうですが、この部分は概ね共通しているはず…。でも共通しているのはあくまでも大筋だけのようで、観た後に他の髑髏城の話をきいていると、まるでパラレルワールドのお話みたいで面白いです。きっとそういうところも人気の理由なんだろうな。
長く演じ続けられている物語だからか、物語のテンポはとても良いし、印象的な場面がいくつもある。それでいて、見終わって「あのセリフがよかった」って思ったセリフが前の髑髏城にはなかったと友達に教えてもらったりもして、一体毎回どれだけ変えてきてるのかなということも気になってきてしまいます。(月への気持ちが落ち着いたら見てみたいと思ってます)

それから今回上演されている「IHIステージアラウンド東京」という劇場もアトラクションみたいで楽しかった。360度舞台に囲まれた劇場で座席ごと回りながら見るんですが、使っていないセットの部分の手前にあるスクリーンの映像とあいまって独特の浮遊感がある。
しかもすごく奥行きのあるセットで、特にアクションシーンなどにはとても臨場感がありました。いろんなところでいろんなことが一気に起こっているのが観れる。

見に行ったきっかけ

私が今回の舞台を観に行った主な目的は天魔王役の鈴木拡樹さんと蘭兵衛役の廣瀬智紀さんでした。(髑髏城の、少なくとも月は天魔王と蘭兵衛と捨之介3人の物語といえると思います。)
私がこの2人を初めてみたのは「舞台 弱虫ペダル IRREGULAR~2つの頂上~」でした。
私が初めて観たいわゆる2.5次元と呼ばれる舞台です。弱虫ペダルはもともと好きだったのですが、舞台についてはこの時友達に誘ってもらわなかったらきっと行くこともなかったんじゃないかと思う。
でも観に行って、ほんと10秒くらい(「スタートを切る!」の瞬間ですね)で、世界が輝いたと思いました。私の好きな弱虫ペダルが動いている!って興奮したのは今も忘れられない…。
そこからペダステの過去作のDVDを貸してもらって一気に見て、
鈴木さんはキャストの中で特に「すごいな」と思った人で、廣瀬さんは、好きなキャラクターを演じられていたこともあって、いちばん思い入れのあるキャストになりました。

それ以降「ペダステ」には欠かさず通っています。2.5次元舞台自体はそんなにたくさんは見たことがありませんが、あんなふうにキャラクターを3次元に召喚してくれる世界が本当にすごいなと思っているし、彼らの活躍を応援したいというファン心理みたいなのもあり、今回下弦の月のチケットを複数枚抑えたのでした。今となっては当時の自分に感謝を伝えたいくらいです。

【以下内容に触れています】

蘭兵衛

とにかく蘭兵衛が、幼少期から積み重ねられてきた好みのツボがこれでもかと押されるキャラクターで、こんなの好きになるに決まってるじゃんという感じでした。抗えない。
序盤の物腰の柔らかさ、目線の色気、強いのに弱くて、儚く、そして闇落ちまでする…!!!
ギャップです。私はギャップに弱いんです。さっきまであんなに穏やかだった眼差しに滲む仄暗さ、そしてそれが引きずり出された先にある狂気。
指先の動き一つ一つが美しくて目が離せなくなりました。
私は後半の蘭兵衛さんに物陰から眺めているところを見つかって切られたいです。
完全に蘭兵衛推しです。
ちなみに廣瀬さんが演じたキャラクターにどハマりするのは2回目なので、たぶん私は廣瀬さんの「解釈」が好きなのかもしれない、と思っています。
もちろんご本人も美しくて大好きなのですが、「演じたキャラのファン」になってしまう要素の強い役者さん。パンフレットで「2.5次元というジャンルに誇りを持って挑んでいたので、お声掛けいただいたことが嬉しくて」と書かれていたのもグッときました。

天魔王

鈴木さんは初めて見たペダステでも、その後に見た刀ステでも、一人異次元というか迫力がすごい人だったので今回もとても期待していました。
最初に見に行ったのは12/2の昼公演だったのですが、この公演では、クライマックスシーンで鈴木さんのかつらがとれてしまうというというハプニングがありました。
多分とっさにウィッグの下のネットをとって元の髪があらわになったのですが、ストレートの黒髪だったこともあり、一瞬演出かな?と思ってしまうくらい、判断が速かった。
おそらくネットで押さえていたマイクがぶら下がってしまう状態になっていましたが、演技が途切れることはなく、しかし会場全体に伝えなければいけないセリフではそのマイクを自然に手繰り寄せてフォローしていて、ああ舞台に出続けている人はさすがだな…と思えたのは終演後。
見ている間はむしろ、そのシーンであらわになる天魔王の弱さが強調されているようにすら見えて胸が苦しくなりました。
あとメイクも素晴らしいんですよね…天魔王の手の色が、最後まで見ると切なくてなりません。蘭と2人で無界の里にいくシーンはまるで双子のようだった。
今はずっと天魔王と蘭兵衛と捨之介が幼かった時代のスピンオフをみたい…ってぐるぐる考えています。

上弦を見る前に各キャラクターの印象まとめ

もちろんその他のキャストも皆素晴らしくて、我に返る瞬間もなく4時間近い上演時間があっという間に思えました。
そして現在交互に上演されている上弦の月の噂を聞く限り、そちらでは天魔王も蘭兵衛も捨之介も全く違うキャラクターに見えるらしく、気になってそちらも行くことにしてしまいました。
そんなわけで、上弦を見る前に、各キャラの印象をメモしておこうと思います。

  • 捨之介(宮野真守)…とにかく声がいい! 滑舌もいい! 清濁併せ呑む少年漫画の主人公のようなキャラクターだと思いました。
  • 天魔王(鈴木拡樹)…とても頭が良さそう。虚勢を張りながら必死で自分を守っているような切ない暴君。殿というより蘭兵衛への執着を感じた。表情筋がすごい。
  • 無界屋蘭兵衛(廣瀬智紀)…前半は物腰柔らかな優男。ある決意をしたシーンで抱えていた闇が露わになり、殿への執着を露呈させるシーンへと転がり落ちてゆくさまがひたすら妖艶だった。そして後半、斬られたい、と思いました。ラストシーンの目が忘れられない。あそこは捨之介が触れるのがいいんだよね…。
  • 兵庫(木村了)…ちょっと間抜けなところもありつつ愛おしく頼りになるお兄ちゃんだった。
  • 霧丸(松岡広大)…ヒロインだなと思ったら別の髑髏城では女性がやってたと聞いて納得しました。忍者みたい。
  • いん平(インディ高橋)…動きがとにかく面白くてたくさん笑った。ダークホース枠。
  • 珊底羅の生駒(中谷さとみ)…キュートでした。衣装も可愛かったなぁ。
  • 贋鉄斎 (中村まこと)…なぜかずっと剣部シバラクを思い出していた(ワタル)
  • 渡京(伊達暁)…とってもかわいかった。たくさん笑いました。好きなキャラ。
  • 極楽太夫羽野晶紀)…慈悲深い頼りになるお姉さんという感じ。蘭兵衛との関係は、個人的には姉と弟みたいに見えた。霧丸のことは息子みたいに思っているのかなと。
  • 狸穴二郎衛門(千葉哲也)…色気のあるおじさん。

ざっとですがこんなイメージ。
とはいえ以上はあくまでも下弦を2回見た段階での感想です。上限も楽しみだなー!そして下弦は来年も見に行きます///
平日中心だけどまだちょっとチケットあるみたいなので気になっている方は是非…!

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