2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 マンゴーの涙/小玉ユキ

小玉ユキさんの短編集。まあ、まず驚いたのは私、小玉ユキさんの漫画読んだことあった! ってことです。CUTIEcomic に掲載された(2001年)「玉子王子」なんだけど、覚えてるもんだなあ。この時からうまいけど、この短編集見ると絵柄の変遷がわかってたのし…

 どこがいいのか考えてない

昨日の朝、目が覚めたときに寒いと思わなかった。前の日の夜は雨が降っていて、団地の踊り場から頭をのぞかせた男の子と視線がすれちがう。濡れた路面が光り、その脇には誰もいないグラウンド、それを取り囲む緑の網越しにみえる深い青みたいな暗がりまで、…

 井の頭線とチョコレートバー

夕方から夜にかけての渋谷発の井の頭線は、いつもものすごく混雑している。発車間際にものすごい勢いで人が押し寄せてきて、でも中学生からずーっと通勤通学すべてを上り電車で通学してきた私にとっては、そんなのはもうなれっこですので、なるべく力を抜き…

 これくらいのかんじで

ここ最近、もやもや考え続けていることについて、なかなか、これ、という言葉を見つけられずにいる。 例えば、写真が写し出す一瞬の表情にある何か、と、その人自身はまた別のものだ。どちらが真実であるとかそういうことではなく、どちらも真実なのだと思う…

 春待ち

金曜日には1週間が終わるのか始まるのか、どっちということにしたほうがいいのかなーとか考える。とりあえず確かなのは、好きなものを最初よりは後に、できれば最後でなく終盤に、食べたいと思うこと、だけど金曜日は週末のはじまりでもあるわけだから、そ…

 くらしのいずみ/谷川史子

今日本屋さんにいって新刊コーナーを見ていたら、新刊がでていたので買って、あっという間に読んでしまった。くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)作者: 谷川史子出版社/メーカー: 少年画報社発売日: 2008/01/28メディア: コミック購入: 9人 クリック: 1…

 ペルセポリス

監督:原作 マルジャン・サトラビイラン出身のイラストレーター、マルジャン・サトラビによる自伝的グラフィック・ノベルの映画化。マルジャン自身とフランスのイラストレーター、ヴァンサン・パロノーがによるアニメーション作品です。 物語は1978年のテヘ…

 片恋の少女日記/中村明日美子

片恋の日記少女 (花とゆめCOMICS)作者: 中村明日美子出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2008/01/04メディア: コミック購入: 7人 クリック: 147回この商品を含むブログ (113件) を見る中村明日美子さんの初の少女漫画単行本とのこと。未発表作を含む全7話が収…

 甘酒、ポーク、映画

仕事で湯島に行く用があったので、ついでに湯島天神へ寄ってみた。 「去年来たのも今頃だったかしら、まだ梅咲いてなくて」 と、となりの夫婦が話しているのを聞きながら、小さな紅色のつぼみに触れてみる。かたい。 ぶらぶらと境内を歩きつつ、鈴なりの絵馬…

 軽薄と水色/かわかみじゅんこ

軽薄と水色作者: かわかみじゅんこ出版社/メーカー: 宙出版発売日: 2007/12メディア: コミック購入: 1人 クリック: 36回この商品を含むブログ (40件) を見るかわかみじゅんこさんの最新刊。豊島ミホさん原作のものが2作品と、デビューして間もない頃のもの…

 雪、ライブ、雪

朝起きたら、雪が降っていた。あわてて着替えて外に出ると、みしみし、と雪の降る音がする。傘に雪が落ちる音なのか、それとも雪の落ちる音なのか、傘をどけてみてもよくわからなかったけれど、みしみし、を聞きながら公園を抜けて、バス停へ。ランドセルを…

 Rufus Wainwright@国際フォーラム 2008/01/23

ルーファス・ウェインライト の1枚目のアルバムがでたとき、当時CD屋店員だったわたしは入荷したてのそのアルバムを店内でかけ、彼の声が聴こえた瞬間から、その空気に、すっかり夢中になってしまった。 ただその魅力を言い表そうとしても、「ふるきよきア…

 「さてと」と彼は言った。

【本の内容に触れています】 ときどき、わりと頻繁に、アンヘラ・ビカリオとバヤルド・サン・ロマンのことを思いだす。ガルシア・マルケス『予告された殺人の記録』の終盤で描かれる、彼らが再会する場面は、私がこれまで読んだ物語の中でも、ひときわ印象深…

 日記

そういえば、今年はもうちょっと日記を書こうと思ってたんだった。その日にあったこと、思ったことを書くような日記。去年、昔の日記を読み返したりしてたときに、最近あんまり「日記」を書いてないなあとか思って(当社比)「じゃあ来年はもっと日記にしよ…

 夕焼けがきれいだった

土曜日は仕事で人の話を聞きにいった。狭い会議室で、こんな狭い会議室では絶対に眠ったりできないなんてあせりながら、実際に話を聞きはじめたら眠気を感じる暇はなかった。それでもあくびはでそうになって、奥歯を噛み締めながら、あくびがでることと同じ…

 ブラッドハーレーの馬車/沙村広明

ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS)作者: 沙村広明出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2007/12/18メディア: 単行本購入: 27人 クリック: 839回この商品を含むブログ (282件) を見る少女たちはその馬車に迎えられる日を夢みて暮らしている。選ばれた少女は、…

 3年目

こんにちは、おげんきですか。 たしか一昨日で、イチニクス遊覧日記をかきはじめて3年になりました。2年のときは「3周年(あるのか?)」なんて書いてた(id:ichinics:20070116:p1)けど、どうやらあったみたい。 この3年の間には、わりといろんなことがあ…

 私立轟高校図書委員会/D・キッサン

本屋さんで見かけるたびに気になってたこの漫画、貸していただいて読みましたー。ありがとー!共鳴せよ!私立轟高校図書委員会 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)作者: D.キッサン出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2006/10/25メディア: コミック購入: 2人 …

 ねぇ、くーまん

私の携帯にはディスプレイ上にいつもいて、たまにしゃべったり、メールを送ってきたりする「くーまん」という待ち受けキャラクターがいます。何度か機種変更してはいるものの、ずっと同じメーカー(東芝)の携帯を使っているので、くーまんとの付き合いも、…

 「この世界の片隅に」 上巻/こうの史代

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2008/01/12メディア: コミック購入: 23人 クリック: 507回この商品を含むブログ (281件) を見るすばらしいと思った。こうのさんの漫画には、どこか恐さを感じる…

 今日の日は曇天

下北沢駅のホームから、曇空を見上げると飛行船が静止して見えた。背後で喧嘩している人がいる。誠意が、と怒鳴る声を置き去りに、井の頭線で渋谷へ。駅から出ると、ちょうど視線の先に、先ほどの飛行船が見えた。やはり静止したままに見える。飛行船は空中…

 「SELF AND OTHERS」

監督:佐藤真長らく見たいと思っていた佐藤真監督の「SELF AND OTHERS」が、シネセゾンでやっているドキュメンタリーの特集上映でかかるというので見てきた。 佐藤真監督に学んだ友人から、写真家の牛腸茂雄さんについてのドキュメンタリーでね、と常々話に…

 「ゴーダ哲学堂 悲劇排除システム」/業田良家

ゴーダ哲学堂悲劇排除システム (ビッグコミックススペシャル)作者: 業田良家出版社/メーカー: 小学館発売日: 2002/06メディア: コミック クリック: 4回この商品を含むブログ (12件) を見るゴーダ哲学堂シリーズ(?)は初めて読んだんだけど、面白かったです…

 「怒り」と期待

「東京猫の散歩と昼寝」さんの書かれていた仮想世界での怒りは存在するかどうか…というお話が面白かった。 我々が笑うとき、それが架空の話でも笑う。漫才とかジョークとか、むしろ空想のバカ話として笑うことが本義かもしれない。ところが、怒りは違うので…

 腐れ水

今日は一日部屋の掃除したり掃除中断して漫画読んだりして終わってしまった。すごく寒い日だった。なんとなく落ち着かなくて、眠れないので日記書く。 掃除してるときに、昔の、というかフィルムでとってた写真整理もしてて、このカモメの写真はたぶん、いつ…

 探偵綺譚/石黒正数

石黒正数の2冊目の短編集。おもしろい! どの作品も、オチのつけ方が独特で、そこがとてもすきだ。 えーあれ? ってにやにやしたところでおわる感じだったり、にやにやしてたらほっこりさせられたり。「それ町」の主人公、歩鳥がでてくる表題作は、年伝説か…

 ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを (ハヤカワ文庫 SF 464)作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1982/02メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 153回この商品を含むブログ (90件) を見るローズウォーター…

 結論はでません

「私の世界は私なのか」と腑に落ちたような気分になってからは、わりと視界がクリアになった気がしていた。堅い感じがした。 そのかわり、自分の気持ち、というのがよくわからなくなった。そんな、移ろいやすいものを頼れないと思ったし、自分の感情を、わり…

 猫と日々

長らく積んであった、「長い長いさんぽ」*1を読んだ。須藤真澄さんのエッセイまんがで、ゆず、という猫との別れが描かれている。 この本に限らず、猫が出てくる物語を読みながら考えてしまうのは、やはり自分と暮らした猫のことだ。だから読み終えても、特に…

 考える練習 

仕事はじめの一週間、てのはこんなにも長いものだったのか……なんて思う木曜日。だんだんと頭がまわらなくなってきたので準備運動がわりにダラ書きをしてみると、とその前に、このダラ書きという言葉は、なんかちょっとしっくりこないっていうか、まあ、だら…