アスパラの肉巻き

解凍した薄切り肉(もちろん豚)をひろげて、アスパラや千切りゴボウを巻いていく。多少ぶかっこうでも焼いてしまえばはがれることはないので、大雑把にぐるぐる巻きにした後、小麦粉をはたきながらふと、そういえば昔、アスパラの肉巻きの夢をみたなぁとい…

 昔話/ロールパン

幼い頃、よくロールパンを食べた。 近所に子どもたちが集まる公民館のようなところがあって、入り口に並べられた大きなダンボールいっぱいに入ったロールパンを、各自一袋づつもらえることになっていたのだった。 私はよく、幼馴染のAちゃんやHちゃんと一緒…

 光の加減

大人になって失ったものといえば、あきらめの悪さなんじゃないかなと思っていて、それは自分が大事にできるもの、手の届く範囲においておけるものの少なさに、気づき始めたということでもある、…なんていうのはきれい事で、要するに、忘れることが少しうまく…

 少し「づつ」

いつまで経っても少しずつ、の「ずつ」に慣れない。慣れないっていうか、なんで「づつ」じゃないんだろうってよく思う。日本語何年も使ってて、こんな事言ってるのはまずいと思うけど、でも「ずつ」ってなんだ。たまに間違って「すこしづつ」と打ってしまっ…

 ロシア

エイプリルフールだし、なにかエイプリルフールらしい嘘を言ってみたいなと思うのだけど、思いつくのはただの空想だったり、思いついてる時点で結構ほんとだったりする。 たとえば、今朝はロシアに行く事を考えていたのだった。船に乗っていて、あたり一面、…

 さようなら謎肉

先日、カップヌードルの、あの肉がチャーシューになるという話を読みました。 『カップヌードル』の具材強化〜ミンチ肉が角切りチャーシューに http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090325-00000020-oric-ent カップヌードルの「あの肉」が特に好きだった私…

 伝言ダイヤルの向こう側

自転車を駐輪場にとめる際、その番号を見ると自動的に語呂合わせをしてしまう。語呂合わせをしたからといって、自転車を引き取る頃には忘れてしまうので、清算のためにもう一度番号を確認し、ついまた語呂合わせをしている。 ちなみに今日は54で「ごしごし」…

 銀シャリの王子様

先日、友達と妹と、もしあたらしいGSが出るとしたら(あえて何かはかきませんが…)(そして出る予定もありませんが…)どんなキャラがいいかなー! なんて妄想のお花畑を繰り広げてきたんだけど、やっぱり眼鏡でチョッキの国語の先生(図書部顧問)は欠かせな…

 歯磨きの視界

寝る前には洗面所へ行き、歯ブラシを左手に、右手に歯磨き粉のチューブを持ち、そのフタを開いて左手の歯ブラシのブラシ部分に歯磨き粉を、あんまりたくさんの歯磨き粉をつけてはいけませんよ、といういつかどこかで聞いた忠告を反芻しながら5ミリ程度だして…

 家族写真

小学校の高学年くらいから、家族写真に写るのが苦手になった。父さんは出かける予定の時間になってからトイレにこもり、その後洗車をした後に、持ち物チェックをはじめて…と、お決まりの行程を経なければ出かけられないような人だったので(なので後に目標時…

 昔話/漫画部

私の小学生の頃の夢は漫画家になることだった。文房具屋で上質紙を買い、(いま考えればただの上質紙なのだけど、当時は上等な紙だと思っていた)友人のMとKと3人でよく集まってマンガを書いた。1話書き終わるごとに、漫画雑誌風にまとめたりもしていて、表…

 不自由な計算

自分が数字を見るときのイメージというか癖については、前にも書いたことがあるのだけど*1、せっかくお絵かきツールができたことだし(いまさらだけど)もう一度書いてみたいと思います。 → 癖、といっても単純なもので、ひとけたの数字を見る時には、5以下…

 落ちる。

私を見る人々の反応のほとんどは “驚き” で、最初のうちは「気にしないでくださいね」と声をかけるようにしていたが、余計驚かせることになるのでいつしかやめてしまった。 怒る人もいたけれど、彼らの声が届くより先に私はそこからいなくなったし、彼らもま…

 空から先生が降ってくる

【降臨賞】空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説・漫画を募集します。 条件は「空から女の子が降ってくること」です。要約すると「空から女の子が降ってくる」としか言いようのない話であれば、それ以外の点は自由です。 http://q.hatena.ne.jp/123…

 昔話/サンタクロース

まだ私がなんとなくサンタさんの存在を信じてた頃、たぶん小学一年生のときだったと思うけれど、サンタさんからのプレゼントのコートに、手書きの手紙がついていたことがあった。 「サンタさんじゃよ。冬は寒いので外に行くときはこれを着なさい。お母さんの…

 UNCLE

ところで伯父さんといえば、UNCLE、UNCLEといえばUNKLEですけど、UNKLEといえば思い出すのは片山(仮名)君のことだったりする。 あれは確か大学の実習中で、私たちは夏の暑いさなか、機材を持って大学のそばの公園をうろついていた。片山君は長唄をやってい…

 伯父のメモ

母方の伯父は、もう十年以上も日々の詳細な記録をとっているのだという。 先日、お見舞いで訪れた祖父の病室で、なにやらメモをとりだした伯父に、誰かがそれは何かと聞いた。すると伯父は、なんでもないことのように、しかしちょっと自慢げに「その日に食べ…

 繰り返し

この日記を書きはじめたばかりの頃、ある人の日記に「自分が書きたいのは日記で、だからここに書いていることは感想文もふくめ、ぜんぶ日記だ」ということが書かれていたのを、今でもよく思い出す。 それは内容の問題というより、自分のために書いてる、とい…

 FAX

FAXってものをまだ見たことがなかったとき、紙が転送される機械ができたと聞いて、とうとうどこでもドアが完成したんだと思った。そして、紙が可能なら、やがて人間だって可能になるだろうと思った。 子どものころ読んだ絵本に、人間の転送実験中にハエが入…

 泣くことについて

わたしの涙腺はかなりゆるい。人前ではそれほど泣かないけれど、それは人がいることによって気が紛れているからで、1人でいるときの目水は、汗や空腹のときに鳴るおなかの音、よりはちょっとはましだけど、しゃっくりくらいにはコントロールしにくいものだ…

 Radiohead があった

好きなもの、夢中だったものから、少しずつ気持ちが離れて行くのはさみしい。けして嫌いになった訳ではないし、興味がなくなったわけでもないんだけど、「どうしようもなく」という部分だけ、ごっそり蒸発してしまったようで、たぶんそれは戻ってこない。 自…

 「デリケートに好きして」

魔法少女シリーズ第1作めであるところの、『魔法の天使 クリィミーマミ』*1が、わたしはほんとうに大好きだった。最近ちょっと見返したりしてたんだけど、当時小学校にあがったかあがらないかくらいだったはずなのに、その後何度も見返したせいか、いくつも…

 ドーナツの穴問題その後

念願のドーナツにはまだありつけていないというのに、まだドーナツの穴のことを考えている。むしろ、ドーナツがあることによって、できてしまう穴のことについて、考えている。「書くことは自分に向けて話すことに似ている」と、この前書いた私は何を考えて…

 ドーナツの穴

ドーナツが食べたい気分だった。でも朝から降り続いている雨はやむ気配もなく、ドーナツを食べるためだけに出かけるには億劫だった。そこで、とりあえずドーナツのことを考えてみることにした。 いま私が食べたいのは、ぎっしりした生地で、揚げたてで、サク…

 島の思い出

たくさん雨が降ると、インドネシアに旅行にいったときのことを思い出す。 → ビール片手に、ついさっきまで土砂降りだったとは思えないような空を、ぼんやりと眺めていた。なんでここにいるんだろーなと、10分に1回くらいの割合で思ったが、とくに考えるでも…

 恐怖

相変わらず台所で豚料理ばかりしている毎日なのですが、最近すごく嫌な予感がするのでそのことについてお知らせしたいと思います。 それは流しの下にある扉についてる包丁収納のことなんですけども、 ←こういうの いつかこう、手が滑ってこの隙間に包丁を入…

 昔話/コンクリート

あやちゃんと一緒だったから、あれは小学校にあがる前か1年生の頃のことだ。私たちの主な遊び場であった空き地に、家が建つことになった。 私とあやちゃんは隣同士の家に住む同級生の幼なじみで、その空き地はあやちゃんちの向かいにあった。春にはレンゲや…

 とりあえずビール

ぐるぐると結論がでないことを考えるのが楽しいこともあるけど、例えば人の言葉の意図、とか相手に聞かなきゃわからない(聞いてもわからないかもしれない)ことを考えつづけてると煮詰まる。しかも、いつのまにか正解を探そうとしてたりして、ところで「正…

 白いランニングのおじいさん

高校生の頃から、大学を卒業後にレコード屋で働いていたくらいまで、毎朝通る公園のそばに、よく立っているおじいさんがいた。いつも白いランニングにひざ丈のズボンをはいていたような気がする。冬のことはよく覚えていない。 おじいさんは、私が前を通りか…

 夏

なんだってできるような気がしてた、という歌詞だったり物語の文句だったりを、何度も目にしたことがあるような気がするのだけど、たしかにわたしも、いつかはなんだって、できるような気がしていた。その時は何もできないと思っていたのに、あたりまえのよ…