装幀メモ その2

私にとって、もう1つのジャケ買い対象が書籍です。
だいたい、好きな作家が現れると片っ端からその人の作品を読みあさるタイプなので、新しい作家に出会う時はほとんどジャケ買いだったりします。もちろん書評や帯を見て買うこともありますが、装幀だけで買うのもなかなか楽しい。また、すでにもっている作品でも、装幀が変わって出版されるとまた買いたくなったりしてしまいます。

ここ数年で一番うれしかったのは、漫画家の高野文子さんの装幀による「チボー家のジャック」でした。
「黄色い本」が出た後に、こういう気の利いた企画を実現する白水社が好きです。

大島弓子さんに続いて高野文子さんが表紙イラストを書いていたことで、デビュー作はあんまり・・・と思っていた長島有さんの作品を再読し、好きになる切欠をもらったこともありました。

また堅いデザインのイメージだった鈴木成一デザイン室も、かわかみじゅんこさんの「銀河ガール パンダボーイ」の装幀を手掛けていたことを知り、さすが大御所、懐がふかい、と勝手に思っています。

ところで、最近大きな出版社では装幀室をもうけるところも多いようです。特に有名な新潮社装幀室などは私も好きなデザインが多いのですが、装幀家(デザイン室の誰が担当しているのかなど)の名前がわからなくなっているのが残念なところ。

新潮社装幀室といえば、舞城王太郎の「阿修羅ガール」などがとても好きな装幀だったのですが、最近出た吉田修一の「7月24日通り」はなんでカバーにあの紙を使ったんだろう・・・と少々疑問です。


チボー家のジャック(新装版)

チボー家のジャック(新装版)

↑箱の中身は黄色い本
銀河ガールパンダボーイ (Feelコミックス)

銀河ガールパンダボーイ (Feelコミックス)

かわかみじゅんこさんの漫画の中でも特に好きな装幀です。