BRIGHT EYES / Digital Ash In a Digital urn

ichinics2005-02-07


先日購入した2枚のアルバムのうちの1枚。
フォーク色の強かったもう一枚とは全く趣が異なり、こちらはエレクトリックな音に彩られた美しい作品。
無機的なデジタル音にコナー・オバーストの有機的な声がよく映える。もう一枚よりは、多くの色合いを含んだ作品になっています。

米大統領選を目前に控えた昨年の暮れ、ブルース・スプリングスティーンが呼びかけ、R.E.M.ニール・ヤングなど大勢のビッグ・アーティストたちが参加した“ヴォート・フォー・チェンジ・ツアー”(ブッシュ大統領の再選に反対する投票を呼びかけるライヴ・イベント)にBRIGHT EYESも中心人物として参加していたと聞き、少し驚いていたのだけれど、その後の米ビルボードチャートではBRIGHT EYESのニューシングルが一位と二位を独占したと言うのだから、むこうではきっとすごいことになってるんだと思う。(そしてその2曲は今回発売された二枚のアルバムそれぞれに収録されている)

ヴォート・フォー・チェンジ・ツアーに参加したことを聞き、私が意外に思ったのは彼が今まで自分の内面的な事象に目を向けて作品を作り続けていた人だからだ。
しかし、その疑問も、新しいアルバムを聴いて解消されたように思う。
この2枚のアルバムは、彼が次のステップに足を踏み入れているという感触を伝えるのに充分な作品だ。全く異なる2枚のアルバムをリリースし、なおかつそれが共に素晴らしい作品であることからも明らかなように、多面的な作品を作り続けながら、全ての楽曲が1つのオリジナル足りえている。

かつて少年だったBRIGHT EYESも、今は成人となったが、かつてのように繊細な少年も彼自身の中に内包されているのだろう。今でも彼の声は悩み、傷付き、叫び、泣いているが、確実に新しい光へと進みはじめている。
すごいです。