LOW / the great destroyer

Great Destroyer

Great Destroyer

昨日購入したロウの新作。長年在籍したシカゴのクランキーを離れ、なんとあのサブ・ポップに移籍したそうです。通算7作目。もうそんなか。スティーブ・アルビニやチャド・ブレイクなどいろいろなプロデューサーとアルバム作りをしてきたロウですが、今回のプロデューサーはあのデイブ・フリッドマン。
デイブ・フリッドマンのプロデュースものでも、ロングウェイブとかは私的にちょっと今一つだったのですが、ロウとはすごく合う気がする。という訳で特に試聴もせずに買ったのですが、これがまたとても良いです。今までのロウの作品の中で一番好きかも。デイブ色という意味では、フレイミングリップスよりは、デルガドス寄りの音かな。でも全然違うな。確かにデイブの力が働いてるんだけど、リップスのようなキラキラした音ではないです。

ライナーノーツにもあった「サッド・コア」という言葉は確かに彼等の音楽性を示すのにぴったりの言葉として、かつてはよく使われていたし、私もそう表現される音楽がとても好きだった。なんだか哀しい感じ、というのは「LOW」というバンド名からも想起させるものがあるのだろう。
しかしsadという言葉で表してしまうにはあまりある、なんだか暖かい感じが彼等の音楽には存在しているのも確かだ。
新しい朝へのちょっとした不安とか、冬の清潔な空気とか。私はサッド・コアという言葉にそんなイメージをもっていたが、この「グレイト・デストロイヤー」でのロウははっきりと覚醒している。とにかく1曲目からロックなのだ。この歪んだ音は、まさにデイブ・フリッドマンの仕事という感じ。
特に素晴らしいのが、7曲目「cue the strins」。radioheadの「how I made millions」とか「メラトニン」とかに近い風景。まるで空に溶ける夕陽のような、賛美歌のような曲だ。また、『耳が聴こえなくなっても』と繰り返し歌う「when I go deaf」も好きな曲。空いている夕方の電車に乗って、ヘッドフォンで聞きたい。
あ、もしかして私は夕方っぽい曲が好きなんだろうか。昔から周囲の人たちには「エンドロールソング*1が好き」だと言い続けてるけど。
という訳で、エンドロールソング好きにもお勧め。なんだか感傷的な感じで書いてしまいましたが、この「グレイト・デストロイヤー」は、ぜひいろんな人に聞いてみて欲しいです。
P-VINEのページでで試聴もできるみたい。
http://www.bls-act.co.jp/newrelease/p_vine/0501.html

*1:そんな言葉無いけど、映画のエンドロールでかかるような曲ということです。