ラーメンズ/『CLASSIC』

ichinics2005-03-14
ラーメンズ第13回公演「CLASSIC」 [VHS]
2003年3月〜4月にかけて行われた13回目となるラーメンズの単独公演『CLASSIC』の模様を収録。
【収録作品】
ベルボーイのホテル旅館化計画
マリコマリオ
受験
ダメ人間
ギリジンツーリスト
バニーボーイ
1313
帝王閣ホテル応援歌

ラーメンズ初のコンセプトアルバム。
帝王閣ホテルにて、とアマゾンにて紹介されているのがなんだか不思議なかんじですが、つまり帝王閣ホテルを舞台とするという限定コンセプトにのっとった舞台。室外であるベルボーイ二人の話から始まって、室内をめぐり、最後の応援歌でしまる。ちょっとタランティーノの「Four Rooms」を彷佛とさせる設定です。ビートルズでいえばサージェントペパーズみたいな存在(の作品)なのかな。
TVブロスに載ってた片桐さんの評に「過去最バカ公演です」と書いてあったけど、バカというか、とにかく気楽に大笑い出来る作品でした。
また舞台装置もいつもと違って、扉が閉じ、室内のコントではベッドが置かれているのが新鮮。
マリコマリオ以外は交代でキャラクター(まともじゃないほう)たちを演じていくんだけど、それがまたそれぞれの「室内」を際立たせるのに役立っていたと思う。
特に笑ったのはやはり「バニーボーイ」。小林さん演じるバニーボーイが本当にいらいらさせてくれる。コミュニケーションの行き違いのおかしさを、こうまでも上手く切り取れるのはすごいなーとか今は思えるけど、見てる間は舞台上の片桐さんと同じく笑ってるのかむかついてるのかわかんなくなっていました。特典映像で、別テイクのバニーボーイも見れて嬉しい。別テイクの方はブロスの評にあったとおり、片桐さんが小林さんのアドリブに答えるのが(笑いをこらえるのが)大変そうでした。とにかく強烈なキャラクター。
また「1313」では、ちょっと村上春樹の描く「いるかホテル」を思いだす。

前回、前々回が捻った作品が多かっただけに、ここでこうくるのか! という印象。大きく広がった世界を一旦閉じ、さらに別次元に世界を構築してしまうすごさ、とか言ってみるけど、そんな気負わずのんびり笑ってればいい感じ。箸休めにでてきた一品がこれまたウマかった! みたいな。
ところで、藤子不二雄のもじりらしき二人の漫画家のお話「マリコマリオ」という名前にちょっと嬉しくなった。でも、二人の演じる漫画家像はなんだかゆてたまごっぽいとなんの根拠もなく思う。