妄想代理人3話〜6話

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第3話

4人目の被害者イッチーの家庭教師である蝶野晴美は自分のもう1つの人格「まりあ」におびえる生活を続けている。大学研究室の助手として働く晴美のもう1つの顔「まりあ」はホテトル嬢。やがてまりあの存在が晴美の生活にも影響を及ぼしていく。

恐い話。留守電で自分のもう1つの人格と話をする、という設定はどこかで見たことあるような気がする。しかしなにより彷佛とさせられたのが桐野夏生の「グロテスク」。話は全然違うけど、設定には近いところがあり、女性が自分で自分をコントロールできなくなって壊れていく、その恐ろしさが似ていた。

第4話

バット少年事件の現場付近にある交番に勤める巡査部長、蛭川雅美の回。彼は一見模範的な巡査だが、実はヤクザと内通しており警察の捜査情報とひきかえに金を強請っている。しかしある日、逆に強請られる側になり、追いつめられた蛭川は強盗を繰り返すようになる。

ヤクザの半田がいい。蛭川の転落ぶりはまさに最悪で、見ているほうも憂鬱になる。しかしラストで蛭川がバット少年を捕まえてしまう。えっ妄想じゃなかったのか? 一気にこの先どうなるのか分からなくなってしまった。

第5話

逮捕されたバット少年は中学生の狐塚誠。取り調べが始まるが、狐塚はみずからをRPGゲームの主人公と信じて疑わず、取り調べをする刑事二人もその話の中にとりこまれていく。

いきなりRPGゲームの中に入ってしまう展開がすごい。はじめは少年の妄想に思える内容が、だんだんと現実にリンクしていく。どんな妄想でも、切欠は現実にあるっていうことだろうか。ゲームの中に入る、という設定の物語で1番最初に面白いなと思ったのはそういえば「レベルE」だった。

第6話

二人の刑事は、ようやく最初の事件を目撃したとされるホームレスの老婆を見つけだす。その老婆の語る話と平行して、信頼していた父親の裏切りによって家出をした少女「妙子」の物語が進んでいく。

老婆の証言から、事件の捜査は出だしの疑問へ戻り、月子は再び狂言ではないかと疑われることになる。この回のラストで、バット少年に襲われる妙子は第4話に出てきた蛭川の娘ということが分かり、話が繋がっていく。しかし蛭川(父)は最低だ。最後の妙子のセリフは爽快でありかつ底なしの洞穴を覗き込むような恐ろしさがある。
ここまでで丁度半分。この先どうなるのか楽しみだけど、もうまったく想像できないよ。