コーヒー&シガレッツ/ジム・ジャームッシュ

ichinics2005-04-29
明日お休みだし、渋谷で映画1000円の日だし、という勢いで唐突に見にいく。
コーヒーと煙草を間に据えて、すれ違ったり噛み合わなかったり下らなかったりする会話のある情景が11編。喫茶店でたまたま隣り合わせた人達の会話に耳を奪われる感じ。面子も豪華で楽しめた。
なんていうか、こうやって(映画とかで)客観的に見ると、交わされる言葉の温度差やそこに込められた感情の有り無しって手に取るように感じられるし、それを面白く思うこともできるんだけど*1、実際にそういうディスコミュニケーションに陥ってる時ってなかなか気分をリセットしづらかったりする。
初対面の人と打ち合わせとかしてて、あーなんかすごく噛み合ってないなーと思いつつも会話は繋げなきゃなんない、とか、すごく久しぶりの友達に偶然会ってとりあえずお茶でもと言って店に入ったはいいけど「久しぶりー」という会話が一段落するとなんも見つからなくなっちゃってどうしよう、とか、相手がすごい間違ったこと言ってるんだけど、突っ込むとめんどくさそうだからやめとこう、と思うんだけどやっぱり気になって仕方ない、とか、いかんせん上の空になりがちで我にかえりにくかったりする。
まあそういう時に役立つのがコーヒーと煙草ってことで。

印象に残ったのを箇条書きで書いとく。

  • 冒頭は1986年に撮られたというロベルト・ベニーニとスティーヴン・ライトが出てる「変な出会い」。そういやベニーニって美形だったんだ、とちょっと驚いた。そういう話じゃないけども。「ダウン・バイ・ロー」が見たくなった。
  • イギー・ポップトム・ウェイツの噛み合わないっぷりが面白かった。トム・ウェイツにすすめられた煙草を吸う時のイギーの顔が良かった。
  • ケイト・ブランシェットの1人2役は途中まで気付かなかった。どちらもこわいくらいきれいだった。
  • 予告編に混じってWhite Stripesの新譜の告知があってなんでだろ、と思ってたら出演してた。あれきょうだいだって知らない人が見たらどう思うんだろ。どうも思わないか。ニコラ・テスラ云々で「テスラ(バンドの)もね」って言われて憮然とした顔になるとこが良かった。
  • GZAとRZAとビル・マーレイのが良い感じだった。RZAの英語が聞き取りやすかった。ほんとにあんな言葉使いなんだーと思った。
  • 最後の1本にあった、価値観の相違による噛み合なさってのはよく体験する気がする。

ちなみに真ん中あたりはちょっとうとうとしてしまったので記憶がありません。映画館でじっと見るより、たまたま入った喫茶店で流れてて見入っちゃった、って感じのが似合う話ではあります。DVDでたらまた見たい。

*1:そう見せてるのはジャームッシュの手腕なんだけど