妄想代理人 11話〜13話

妄想代理人 (6) [DVD]

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とうとう最終巻

第11話

少年バット事件を追っていた刑事猪狩は、警察官を辞任し、警備員として働いている。そんな彼の病弱な妻のもとに、少年バットが現れる。

本筋に戻ってきたはいいけれど、世界は歪みっぱなし。しかし猪狩だけはまとも、というか理解しやすいキャラクターだなと思う。その妄想についても。奥さんが語り終えるシーンは『ペット』*1で描かれてた「ヤマ」みたいだ。

第12話

もう1人の失業した刑事、馬庭は、月子の過去に少年バット事件の鍵があることを突き止める。

未だ第5話の世界観を引きずっているかのように見える馬庭。しかし彼の寄行がまともに見えてくるからこわい。ラスボスを倒そうとしたら第2段階とかに変体するのもRPGっぽい。月子、猪狩、馬庭を中心に、物語が走り出すが、行方が見えないよー。

第13話

最終回!!なのであらすじは書かないでおきます。
意外といえば意外なんだけど、もう推理することは諦めてひたすら見てたので、あまり意外という感じもしませんでした。メビウスの輪みたいな、裏と表は繋がってるけど、もときたとこには戻れない、みたいな感じ。
  *****
DVDの特典で、今敏さん、脚本の水上清資さん、制作の豊田智紀さんらによる「妄想ラジオ」という製作秘話のようなものが収録されていて、そこで今さんが当初から、物語は最初とラストでまったく違う作品になってしまうようなものを目指している、と話していたけど、まさにそのとおりだった。エンディングで流れるみんなが寝ている情景は「?」の文字を描いていると見て下さい、と言っていたけど、たくさんの?を残しながらも、お話としてまとまっているように見えてしまう所がすごい。腑に落ちて暫くしてから、え、でもあれ?と言いたくなる。
あと「つながらない会話」を描こうとしている、という話で、「もし行き詰まったら、繋がる会話を書いた上で、削っていって、最終的に言いたいことしか言わないと伝わらないから繋がらなくなる」、と話していたところが面白かった。なるほどー。
特典には平沢進さんとのトークショーの模様も収録されていて、そこで「東京ゴッドファーザーズ」で使った画像(主に風景とか)をリサイクルしているという話があったんだけど、ほんとあそこまでクオリティの高い絵を書いてるんだからそれはすごく生産的な案だな、と思うとともに、そこに見たことのある風景が見えるっていうのも見ている方としては楽しい。オープニングのおばあさんがいる場所はやっぱあそこだったのかーとか。

KON'S TONEという今さんのページの中に「"妄想"の産物」という妄想代理人製作ノートがあってずっと読みたかったんだけど、やっと最後までみたので今度はこれを読もうと思います。
http://www.parkcity.ne.jp/~s-kon/