ティム・バートンのコープスブライド

corpsebride

監督:ティム・バートン/マイク・ジョンソン
声優:ジョニー・デップヘレナ・ボナム・カーター

ティム・バートン監督久々のストップ・モーション・アニメ作品。
「ジョニーは昼間はウィリー・ウォンカ、夜はビクターだったんだ」と監督のインタビューにはあって、つまり「チャーリーとチョコレート工場」とほぼ同時進行で制作された作品。どちらもティム・バートンならではの世界なんだけど、チャーリーが悪夢混じりのファンタジーだとしたらコープス・ブライドは悪夢の中のファンタジーというような印象。うーん我ながら訳のわからない説明だけど、とても純粋なラブ・スト−リーだったと思います。
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ビクターとビクトリアは、親同士の身勝手な策略により婚約者となったという状況ながら、一目あって惹かれあうようになる。しかし結婚のための「誓いの言葉」をうまくいえないビリーが森のなかで一人練習をしていたところ、誤って死体の花嫁(コープス・ブライド)に求婚してしまい、彼女を蘇らせてしまう、というのがお話のはじまりです。
初めて会った時は恐ろしげに見えたコープス・ブライドですが、ビクターがだんだんと彼女に心を許しはじめるのと同じようにして、見ているこっちも感情移入してしまう。彼女は生き生きと(死体ですが)していて、とても魅力的な女の子なんだった。彼女を見てると、死後の世界が「ある」なら死んでても生きててもかわらないじゃんとか思えてしまうくらい。でも、同時にビクトリアの真摯な愛情も伝わってくるので、ビクターの葛藤がとてもわかりやすく伝わってくる。
とてもきれいで、楽しくて、優しい映画でした。なんというか、独特の美意識はそのままに、作品を重ねる毎に素直な作風になっていく気がします。
ビクターがピアノを弾くシーン(画像のとこ)が特に気に入って、口説きたいならピアノで会話できるようになんなきゃだめだなー、とか思いました。