マイライフ・ウィズアウト北海道バター醤油味

極私的ポテトチップスランキングで10数年も不動の1位を保ち続けている北海道バター醤油味と初めてであったのは家の裏手にある寂れた商店街のスーパーでのことで、まだ私が小学校にあがったばかりの頃だと思う。当時はカルビーのスタンダードラインのパッケージとは違ってて、なんかメキシカンとかいう味のやつと一緒に並んでたような気がする。
以来、少ない小遣いをそれに注ぎ込み、300円までで有名な遠足のお菓子にも北海道バター醤油味を二袋もって行くなど、かなり長い間偏愛し続けた。
大学入試の時には願掛けとして「ポテトチップス断ち」をし、合格発表の帰り道で食べた約半年ぶりの北海道バター醤油味のおいしさは正直覚えてないけども、とにかく志望校合格の喜びを歩きながらポテトチップスを食べることで噛み締めた。そんな女子高生ってどうなんだって今では思うけども、まあ私にとってあれは開放感の象徴みたいな瞬間だった。(ちょっと大げさ)
しかしいつからか北海道バター醤油味は店頭から姿を消し、北海道限定商品となり、3年くらい前までは東京でも夏季限定発売などしていたが今年はそれもなかった。
そんなバター醤油味不足の中、最近になって湖池屋からバター醤油味が2種類発売された。オーチップスのシリーズで、波形のものと格子タイプ。
でもこれが、どうももの足りない。そもそも波形のオーチップスで一番美味しいのはサワークリームオニオンなのはもう10年くらい前からわかってることなんだ。何故ならあの波形カットは味が濃くてもさっぱり感じるという利点があって、たぶん普通のスライスタイプでは少々くどくなってしまうサワークリームオニオン味のあの酸味とうまくマッチしている。また、格子タイプは得てして脂っこく感じてしまう食感なので、今出ている黒こしょう味などは相性もいい気がする。黒こしょう好きじゃない私はコンソメとかで食べたいとこだけど、とにかく波形も格子タイプも、バター醤油味には合っていなくて、どっちも美味しいといえば美味しいんだけど、言われなきゃバター醤油味だなんてわからないようなぼんやりした味なのだ。
カルビーにあって湖池屋のバター醤油味にないもの。それは、あのハッピーターンの魔法の粉に勝るとも劣らないあのバター醤油パウダーの存在だと思う。バターの油分とか醤油の塩分とかじゃなくて、もうバター醤油が渾然一体となったあのパウダーこそがカルビーのバター醤油味を唯一無二の存在にしていたのだと思う。(それに限りなく近い存在がナビスコのそのまんまポテトのバターしょうゆ味だがあれはスティックタイプ箱入りということで少々近づきがたい存在なので除外)
だから何が言いたいかというと、夏季限定でも冬季限定でもいいのでまた北海道バター醤油味を発売してほしいなーということです。北海道の味なのに北海道だけで売ってるってなんかもったいない。
なんて、どこでも買えるような状況なら、もういい加減飽きてるのかもしれないけど、それでもコンビニでスナックコーナーを見ても、惹かれるものがあんまりない毎日ってのはちょっと寂しいものです。
マイライフ・ウィズアウト北海道バター醤油味。もしもこれにはまってなかったとしたら、ポテトチップス自体にはまってなかったような気がするんだよなー。
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一晩あけて自分の文読み返してみたら胸焼けした。