「Feels」/Animal Collective

Feels (Dig)

Feels (Dig)

NY、FatCatのバンド、Animal Collectiveの7thアルバム。彼等の音楽を聴くのはほぼはじめてなのですが、これはすごい、傑作だと思いました。素晴らしい。
以前聴いたアルバムは、もっとサイケデリックというか、フォーク色の強い音だったような気がするなあ、と思って、bounceのインタビューを見てみたら→(http://www.bounce.com/interview/article.php/2238)わりとアルバムごとに色合いをかえるバンドであり、なおかつ作品ごとにメンバーの編成もかわったりするみたい。で、今回の「Feels」は久々のフルメンバー(パンダ・ベア/ヴォーカル:ドラムス、エイヴィー・テア/ヴォーカル:ギター、ディーケン/ギター、ジオロジスト/エレクトロニクス)で制作されたアルバムなのだそうです。
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水に溶けてく絵の具みたいに、その音はすんなり耳に入ってくるのだけど、ゆっくりとにじんで、広がって、沈んで、きらめく。瞼の裏の光みたいに。その過程がほんとうに気持ちよくて、耳が吸い寄せられていきます。例えば、グループの中心的な存在でもあるベアさんのドラムが、というか私はなにかとドラムを聴いてしまいがちなのだけど、#11では遠雷のようにひびく。そして残像だけが残される世界に、再び祝祭的な音が還ってくる。そのドラマ。なんかもう、うまくかけないけど、すばらしいです。
70年代初頭のサイケデリックが一番感触としては近いのだけど、そこに散りばめられた音色は洗練されていて、やはり「今」だなという感じ。ビーチ・ボーイズスピリチュアライズドを彷佛とさせる箇所がところどころにあるものの、全体として、集合体として見ると、これはもうAnimal Collectiveの音でしかない。うわー来日行きたかった。今さらですが、個人的に昨年のベスト3には入れたい感じ(聴いたの今年だけど)。
Hp → http://fat-cat.co.uk/fatcat/artistInfo.php?id=53