この裁判については、精神鑑定の結果が出た段階で少し触れたけど(id:ichinics:20060221:p2)結局「控訴趣意書を期限内に提出しなかった」ということが棄却の理由になるみたいです。弁護団は3日以内に異議申し立てをすることができるけれど
異議が認められれば公判が始まったり、被告の精神状態の治療のために公判停止となったりする可能性がある。退けられた場合、弁護側は最高裁に特別抗告できるが、これが退けられれば、死刑が確定する。一般的には、こうした異議や特別抗告が認められる例は少ない。
http://www.asahi.com/national/update/0327/TKY200603270335.html
と、ここにあるように「意義が認められる可能性は低いでしょう」とテレビのニュースでも言ってた。
いいのかそれで、という気持ちが拭えない。オウム関連のニュースでは、河野義行さんの意見が自らも被害者であるにもかかわらず、常に冷静だなと思う。msn毎日にもインタビューがのってたので引用すると
何が不服で控訴したかについて、分からないままそれを知る道が閉ざされてしまい、残念に思う。松本被告の訴訟能力について、裁判所と弁護団の鑑定結果が相反していたが、鑑定人の選定には両者の意識が作用しないような方法を保つことが必要だったのではないか。人の命が関わる鑑定に、公正さが保たれていないことに恐さを感じる。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060328k0000m040124000c.html
と、至極まっとうなことをいっているなぁと思う。
遺族や被害者の方からは、この決定を支持する声とともに、「きちんと審理してほしかった」という声もある(http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060328k0000m040108000c.html)のだけど、このままいくと事件の真相は「首謀者」とされている人の口から語られることはないんだろうか。
真相っていうのは、決して起こった「事実」だけのことでなく、今回のように、「宗教」や「思想」がその根底にある事件の場合、被告の口から語られることがとても重要なんじゃないかと思うのだけど。