ZAZEN BOYS@SHIBUYA AX

約一か月ぶりのMATSURI SESSIONに行って参りました。
思えば今年に入って既に四回目、アコエレ入れると五回目の向井詣りです。それでも毎回新しい発見というか「体験」をさせてくれる向井秀徳およびZAZEN BOYSが私は心底大好き、と心底思えることに驚かされるし、それはもう、何かちょっと奇跡的なことだと思うわけです。何度もライブで見て音源も繰り返し聞いていて、少し先の展開を耳で追っているのにもかかわらず、それはしばしば裏切られ、確実に気持ちいい場所にストライクで音がくる。その新鮮さがたまらない。
さて、マツリセッションはそれこそ津々浦々、ほとんど切れ目なく常日頃行われているわけですが、ひと月のブランクを経て見ると、見れていないいくつかのライブの間に積み重なった変化のようなものが、わりとクリアに見えるものだなと思いました。
OPはヤンキーのみ登場して「Crazy Days Crazy Feeling」。これがこのミディアムテンポなアレンジになったのは昨年末あたりからのような気がするけど(私が最初にこのアレンジを聞いたのは昨年末のAX)、今回のAXでのライブは基本的にこのテンションというか、走り過ぎない、若干押さえ気味の切れ味で統一されていたような気がします。いや、もちろん解放するときには解放するし、向井さんも登場してすぐ壇上にあがってぴょん吉みたいなあれで、テンション高かった。でも、全体的にはいつもより少し重めテンポだったような気がする。踊りやすい。もちろん、それは小さい箱と大きい箱では少しアプローチを変えてるからなんだろうなと思うし、そういう意味で向井さんの空間把握能力と言うか、そういうものを感じられたライブでもありました。
FACTORYの時に見た「COLD BEAT」の新しい展開(聴こえる、から、感じるへ、だったかな)は今回もあったけど、また少し新しくなっていた。そして今回のセットリスト中央に据えられてたのは「開戦前夜」で、これにはだいたい長大なインプロが挿入されるのだけど、今回の展開はかなり冴えてて、特にそれぞれのソロがビシッっときてた。途中、向井さんの弦が切れたかなにか(今日はよく弦がきれた)アクシデントもありつつ、キーボードで乗り切って最後までものすごい熱量だったな。あれだ、一つの音が前に出てそれに目を奪われていても、すぐ後ろに新しい展開が待ち構えていて、いきなり視界を奪う。その繰り返しに翻弄されるのがまた気持ちいい。全てのパートがうねっていて、例えば松下さんのドラムは、ドラムにメロディがないなんて嘘だねとか思うくらい、体のあちこちがそのメロディに釣られてしまう。
客が息切れする頃になって「私の年齢が上がるとともにお客さんの年齢もあがっていくのを肌で感じております」とか言って、なのに「RIFF MAN」てのがまた効いてる。「半透明少女関係」ではもうほとんどのお客さんが限界を振り切ってたと思いますが、とにかく楽しすぎた。お祭り騒ぎです。
アンコールでは登場してすぐに向井さんが80年代ヒットソングのあれ…何だっけな。絶対聞いたことあるんだけどわかんない何か(わかったら追記する)をやりはじめてセッションがバシっと決まりかけて、そこから「Good Taste」。そして「KIMOCHI」。
あーもうザゼンのことだったら何文字でもかけそうな気がするけど、もうまとまりがなくなってきたのでこの辺にしとく。次は6月のZEPP。もう待ち遠しい。