DEATH NOTE 12巻(完結)

漫画:小畑健 原作:大場つぐみ
最終回を迎えたらしい、と聞いてから心待ちにしていた最終巻。
ほんと面白い漫画だった。これをリアルタイムで(途中から単行本に移行しちゃったけど)読めてわくわくしたし、ありがとう作者さん、と思う。

DEATH NOTE (12) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE (12) (ジャンプ・コミックス)

【以下ネタばれ気味】
ライトの最期は「悪役」の最期だった、と思う。それはたぶん、ラスト、ライトがニアの言葉にまったく耳を貸さないという場面が、ただ「理解していない」だけのように映ったからだ。どちらの言葉も詭弁であるならば、その思考を第三者的な視点で見た方がとりあえずその場を制する――というのがL編での法則のように見えた。その駆け引きこそがこの漫画の魅力だった。
しかし、ニア・メロ編になってからは、主人公ライトの魅力であった沈着冷静/頭脳明晰、という要素が底の浅いものに感じる場面が増えた。とりあえず殺せばその場をしのげると考えてるかのように、殺し、後手にまわって辻褄あわせをしているように見える。その最たる場面が終盤のどんでん返しだったと思うのだけれど、ニアの作戦が完全にライトの上をいくものとも思えなかったのが少し残念だ。ニアが「証拠」にこだわり、ライトが「目をもたないこと」にこだわらなければこのラストはあり得なかったようにも思うし。
最終巻での、ライトが「わかりやすく」堕ちていく様には、ちょっと抵抗もあった。それはたぶん、私がライトと「不思議な少年」を重ねて見ていたからなのかもしれないけれど(id:ichinics:20050228:p2)やはり彼も人間だった、ということでいいのだろうか?
もっと最悪を、もしくは、ニアでもライトでもないところからどんでん返しを、とかいろいろ妄想してしまうんですが、とはいえ、やっぱり面白い漫画でした。
読んでいるうちに、どんどん贅沢になってしまったみたいだ。
もう終わりなのか。楽しかったです。