猫

昨日は猫について、とくに飼い猫の避妊手術についてのニュースをあちこちで見た。と、曖昧に書いているといつか何のことやらわからなくなりそうだが、ならないだろうと思う。
私にとっては結論の出ない問題だ。
私はこれまで4匹の猫を飼ってきた。3匹は捨て猫/野良猫で一匹は友達の家で生まれたのをもらってきて、3匹は雌だったので全て避妊手術をした。その子たちの子までは育てるつもりがなかったからだ。今うちにいるもう20歳を越えている猫も雌で、もとは野良猫だったが、一度も子猫を産んだことはない。
私は猫たちに、ひどいことをしたのだろうか ―― したのだろうなと思う。20年以上も同じ屋根の下に暮らしてきた同居猫の眠る姿を見ながら、その子にまで責任を持てないならば、このこを拾わないという選択肢もあったのだとは思うけれど、私は既に自分の人生のほとんどをこの猫と過ごしてきたので、そんな「もしも」はうまく想像できない。
ただ、新しく生まれる存在よりも、既に生まれている存在を特別扱いしたくなるという基準は確かに私の中にあって、それは猫でなくたってそうなのだ。