京都日記/前日夜〜一日目

喫茶店で、向かいの席の男の子たちが「太陽」の話をしていた。なかなか白熱した議論になっていて、ちょっと混ざりたいなと思いながら「冷血」を読了。21時頃に地元の駅を出て、新宿で友達と落ち合う。
腹ごしらえをして、23時。薄暗いビル街にたくさんの人がたむろしている様子は、日本というよりはアジアという雰囲気で、Tとタイをバスで横断した時のことを話しあう。あのときと負けず劣らずの狭いバス。流れるオレンジ色の光の中で、いつの間にか眠る。

朝7時、京都駅に着く。京都タワーがまぶしい。地元ではあんまり評判がよろしくないという話を聞いたことがあるようなきがするけど、なんだか昭和っぽい感じがして好きだ。マクドナルドで少し時間を潰してから、京都に住んでいる友人宅へ向かう。バス停まで迎えにきてくれた友人Sは、何もかわっていない。東京でも、京都でも、ずうっと名古屋弁だ。暑いね、でも思ったほどでもないね、なんて話をしながら、S宅へ。きれいなマンションの、広い部屋。これで家賃が五万円なんて信じられない、東京なら8万は下らない、都心なら12万くらいしそう、なんてお金の話をしつつ、ネットで地図を見たりして今日明日のプランをざっとたてる。
10時、出発。市バスの一日乗車券(均一料金区間内なら乗り放題の切符、500円という安さ)を買ったので、今日はバスに乗りまくる予定。まずは腹ごしらえということで、Sお気に入りのラーメン屋にいく。美味しい。すぐそばにSが昨年まで通っていた大学があるので、学生がたくさんいる。ラーメンを食べてから、近くにあった本屋さんへ。古本も新品もある、なかなか品揃えの良い本屋さんだった。福山庸治さんの見たことない本が200円だったので購入。
そこからTが行ってみたいといっていた今宮神社へ、というより、その傍で売っている「あぶり餅」というお菓子を食べにいく。小さくちぎった餅を細いくしにさしてあぶったものに、あまいたれがかかっているもの。15本くらいが一人前として出てくるのだけど、ぺろりと食べられてしまう。ごちそうさまでした。
そこからまたバスにのって、今度は細見美術館へ。Sは日本美術を研究しているひとで、先日も若沖を見るために東京へ来ていたらしい。この細見美術館で今やっている展示は、館蔵品の中から人気投票で選ばれたものを集めたリクエスト展で、ランキングも面白かったし、初めて行く私にはおあつらえ向きの展示だったんではないかと思う。不思議な構造の建物も雰囲気が良くて、椅子を出して好きな作品の前に座ったりなんかもできて、すてきな美術館でした。個人的には、やっぱり若沖の鶏に、ぐっときた。見れて良かった。
美術館を出てからはぶらぶらと散歩。喫茶店でお茶をしたあと、四条へ。
20時、晩ご飯は京都に住むTの友人と一緒に。居酒屋で水菜と油揚げの鍋やら、漬け物やら、Sの恋話やらをつまみに飲む。最終的には、私の(異性の)趣味が悪いと散々非難されたのはたしかうるるんの石坂さんが好きだといったからで、別にそんなに大好きなわけでもないのに、この先ずっといわれそうだなと思う。
23時、友達が以前働いていた、おしゃれカフェ(?)で飲みなおす。屋上のテラスでだらだらと飲みつつ、話をする。楽しかった。おしゃれすぎて敷居が高そうな店なんだけど、緑がたくさんで、見晴しもよく、バラも咲いている。
帰宅してすぐにTが寝てしまったのでSと私はだらだらとネットを見つつ(一人暮らしなのにネットにつながったPCが二台もあった)話をして、就寝。